2019.7.30在学生・保護者 / 地域・一般 / 地域貢献 / 研究

「枯れない油田構想の社会実装」を紹介しました

7月21日、本学香美キャンパスにおいて応用物理・物理系学会 中国四国支部の4学会合同学術講演会が開催され、本学の教員および学生を含む14大学、2高専、12高校から279名(一般69名、大学生123名、高校関係者87名)が参加しました。

特別講演では、本学 地域連携機構 永野 正展技術顧問が「枯れない油田構想の社会実装」をテーマに講演しました。

★★2S1A1017.jpg

冒頭、永野技術顧問は、少子高齢化による縮小環境の波をのりこえ、国・地域の未来を若い方にバトンタッチするためには新しい地域経営のエンジンが必要だと考え、2006年に「枯れない油田構想」を構築、わずか3年後には高知県内でペレット燃焼システムの本格導入、6年後の2012年7月には大学発ベンチャー「株式会社グリーン・エネルギー研究所」を設立したことを紹介しました。

★2S1A1027.JPG

2006年に県内の若手農業者らからハウス園芸に係る「燃料コスト・環境など」の相談を受けたことがきっけとなり、県内の森林に着目、高知県は日本一森林率が高く60万ヘクタール有していることから調査を開始し、高知県での全エネルギー消費額が900億円に対して山林の年間成長量が1000億円以上であるとの結果を得られたことから「枯れない油田構想」が生まれた経緯を説明しました。

★グリーン・エネルギ-2.png グリーン・エネルギ-1.jpg

(1枚目:地元の方が枝葉などを原料として持ち込んでくる様子 、2枚目:発電所と原料の木材)

そして、本構想の根幹となるエネルギーの地産地消を実現するために、高知県宿毛市でペレット生産工場・バイオマス発電所の具体化を計画し、2012年に大学発ベンチャー「株式会社グリーンエネルギー研究所」を設立したことを紹介しました。設立当初は原材料となる木材の調達に苦労していましたが、地道な活動の結果、森林を所有する地元の方や関係者が枝葉などを、製材工場からは廃材(おがくず、背板、バーク)などの未利用原料が集まるようになり、現在では、宿毛市全体の電力を賄えるまでに成長したことを力説しました。更には、地域での雇用が直接・間接合わせて約100名うまれていること、発電所をフィールドにした学部生や院生の研究成果が10編以上の論文として発表されていることなど、その副次的効果についても言及しました。

一般講演では高知工科大学から25件の研究成果を講演、Jrセッションでは12の高校から74名の高校生が、授業やサークル活動等において物理に関する探究活動・課題研究を行った成果やその途中経過について講演しました。

RELATED POST

関連記事