2019.9.19国際交流 / 在学生・保護者 / 地域・一般 / 学生生活

「海外危機管理シミュレーション研修」を実施しました

9月2日、香美キャンパスにおいて、「海外危機管理シミュレーション研修」を行い、学長・副学長をはじめ教職員33名が参加しました。

シミュレーションは、海外研修中に学生が重大な事故に遭遇したことを想定し、訓練の過程で事故対策の問題を見つけ出し、海外研修における危機管理体制の強化を狙いとして実施しました。参加した教職員は、緊急事態が発生した際の緊急対策本部の立ち上げ・連絡・指示および報告・マスコミ・保護者対応の一連を疑似体験し、万が一の事故発生の際に備えた訓練に真剣に取り組みました。

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冒頭に講師としてお迎えした特定非営利活動法人海外留学生安全対策協議会(JCSOS)から、「現在の大学生は、留学・学会発表・インターンシップ等で海外に渡航する機会が増えています。渡航先も拡大傾向にあり、国際情勢の変化も大きいことから、海外リスクマネジメントがいかに必要か、主要国別の犯罪認知件数や過去に日本人留学生がまきこまれた事件・事故の事例をもとに、危機意識をもつことの重要性について考えてみてほしいです」とお話をいただきました。

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その後行われたシミュレーションで、参加者は3~5名のグループに分かれ、「本学が実施する海外派遣プログラムで、研修生が移動中に交通事故に遭遇した」ことを想定し、情報が不足している状況で重大な事故が起きた場合の対応や意思決定をトレーニングしました。

海外連絡・現地派遣担当班では、同行職員やJ-TASサポートデスク(※)から入ってくる情報を整理して各班へ共有し、先発隊として派遣する教職員の選出や航空チケットの手配におわれました。本部および事務統括班ではホワイトボードを活用し、刻一刻と変化する現地からの情報をうけて優先順位を検討し、家族担当・経理担当・マスコミ担当に事故対応策について、本番さながらの緊張感をもって指示していました。

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講評では「初めてのシミュレーションとしてはよくできていたと思います。特に電話取材の対応や記者会見への姿勢は誠実さを感じました。ただし、本部に関係者以外が入室したことや、記者会見で、研修のスケジュールや事故発生場所の地図、これまでの交流実績などの情報が少なかったことと、再発防止策の表明がなかったことは反省材料だと思います。こういった事故が夏休み中や深夜など、人手が不足する状況で発生しても対応できるように、今後、改善策を検討してください」との言葉をいただきました。


訓練を終えた参加者からは「今回の訓練のように、情報が錯そうするなかで各班が情報を共有し、対応策を考えることは非常に難しかったです。ホワイトボードに情報を書き出すだけになってしまいましたが、正確な情報と不正確な情報を整理するために、マークをつけるなどできればよかったです」「マニュアルは策定されていても実践することの難しさを痛感しました」「情報を整理する時間が少なかったです。家族に寄り添う気持ちが何よりも大切だと感じました」などの感想が聞かれました。


本学では、国際会議の発表・留学・研修など様々な場面で年間約240名の学生が海外に渡航しています。今後も継続的に非常時に対応するための訓練を実施し、危機管理体制の強化に努めてまいります。

※J-TAS:J-TASは「J-Basic(JCSOS緊急事故支援システム)」の大学・教育機関向けのサポートに加え、派遣留学生から事の重要性を問わず、留学生・学校・受入留学先・保護者の間に立ち、海外での様々な有事に24時間365日対応し、直接事故処理を行う危機管理システムです。




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