2019.12.24学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

原田講師が航空機の軌道予測手法について講演しました

11月27日、筑波大学で開催された、「CARATSオープンデータ活用促進フォーラム」(主催:国土交通省航空局交通管制部交通管制企画課)にて、本学の原田 明徳講師(システム工学群)が「定点通過時刻予測のための最適軌道に基づく軌道予測手法」をテーマに講演しました。

本フォーラムは、将来の航空交通システムに関する推進協議会(CARATS推進協議会)が産官学で取り組んでいる、航空交通分野における研究開発の活性化の一環として実施されたものです。

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原田講師は、日本の航空交通システムのあるべき姿を追求すべく航空交通管理の研究を行っています。日本の飛行情報区をひとつの大きな空域とみなし、出発から到着までを一体的に管理する軌道ベース運用(TBO)を実現するためには、交通流管理システムの導入が必要と考えられています。交通流管理システムでは航空機を時間で管理するため、航空機上で計算される高度や速度等の飛行プロファイルを出発前に地上で正確に予測できることが求められます。

講演では、運航コストが最小となる最適軌道に基づいて、航空機の飛行プロファイルを予測する計算手法を新たに提案するとともに、CARATSオープンデータに記録されている実際の飛行時間との比較結果から、航空路上の定点の通過時刻を出発前に精度よく予測可能であることを示しました。軌道予測の技術を確立することで、過密エリアにおける混雑が予測可能となるため、通過時刻を調整することで混雑や遅延が改善され、経済効率の向上に寄与することが期待されます。また、本学、機械・航空システム制御研究室におけるCARATSオープンデータを利用した他の研究事例も紹介しました。

参加者からは、今回解析の対象とした福岡空港発東京国際空港着便の現在の管制方法についての助言や、提案した軌道予測手法を実装する際の課題についての質問もあり、活発な議論が行われました。

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