2020.1.29地域・一般 / 地域貢献 / 研究 / 研究者・企業

金峯神社が日本建築設計学会賞を受賞-高齢・過疎に向き合う建築-

渡辺 菊眞准教授(システム工学群)の建築作品『金峯神社』が第3回日本建築設計学会賞を受賞しました。

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(金峯神社 写真1枚目:森の本殿、2枚目:里の拝殿)

この賞は、近年、国内に竣工した建築作品で、閉塞した社会にさわやかな流れをもたらすような作品に対し贈られます。設計者の自薦だけでなく、誰でも街で見かけた好きな建物を他薦することができ、応募71作品のうち『金峯神社』を含む6作品が受賞しました。

第3回日本建築設計学会賞 受賞作品『金峯神社』

古くから高知県香美市の佐岡地区に根付いてきた金峯神社が、中山間地域の高齢化・過疎化の中で社殿崩壊の危機にあるという身近な社会問題に建築から向き合った作品。
再建にあたり、本殿は森に残し拝殿は人が参拝しやすい里に下ろす"分割造替"という新たな選択をしたことで、高齢で参拝できなくなっていた旧氏子も参加して10数年ぶりに秋の例祭が復活した。

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(写真:いまにも崩壊しそうな旧金峯神社と、2016年から復活した里の拝殿での例祭)

住民の生業や宗教観等が刻まれた金峯神社(過去)から地域の建築文化を読み解き、氏子の高齢化という現在の問題とを重ね合わせながら新たな建築の可能性を探った本作品は、地域によりよい未来を築いたことが認められ、「高知県知事賞(最優秀賞)」の他、「World Architecture Community Awards」を受賞するなど世界的にも評価されている。

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(地域の建築文化(聖山との関係性等)に留意したコンセプト)

なお、受賞6作品は、3月28日~4月5日に"ASJ UMEDA CELL"に展示され、4月4日には、この中から1点を大賞に選ぶ公開審査会が行われます。推薦者もしくは代表設計者のプレゼンテーションも公開で実施されますのでぜひご来場ください。

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