2021.11.12イベント / 在学生・保護者 / 地域・一般 / 地域貢献 / 学生生活

地域経済の活性化につながる「バーチャルゆず収穫体験」の実証実験を行いました

11月6日と7日の両日、高知工科大学、凸版印刷株式会社、JA高知県は、香美市香北町のゆず農園で、地域経済の活性化につながるバーチャル体験コンテンツ(遠隔体験型)開発の実証実験として「バーチャルゆず収穫体験」を実施しました。

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バーチャルゆず収穫とは、農園にいる人がスマートグラスをかけて見たゆずの映像を、遠隔地にいる人がタブレットで確認し、遠隔地から指示したゆずを収穫するものです。デジタルトランスフォメーション(DX)技術を駆使した新しい就農体験を通じて、若者層の農業・情報通信技術(ICT)への興味を喚起し、さらには、多くの方にDXコミュニケーションを体感してもらうことを目的に実施しました。

6日は大栃中学校の生徒6人が参加し、スマートグラスから送られてきた映像を見ながらタブレットで指示を出し、一方ではスマートグラスを装着した人が収穫するという、収穫指示と収穫の両方を体験しました。大栃中学校の生徒は、日頃からゆずの収穫を体験していますが、バーチャル柚子収穫体験では「スマートグラスに慣れるのが難しい」と戸惑いながら収穫をしていました。

7日には、自治体や農業関係者など約10人が参加し、使用用途や事業展開について活発な議論が行われました。 5G(次世代移動通信)が普及する頃には遠隔技術がより身近なものになることが想定されていますが、今回はその一端を体験していただく貴重な機会となりました。

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今回の実証実験は、凸版印刷株式会社が開発を進めているスマートグラスを利用した実証実験の場を持ちたい、JA高知県香美地区は青果ゆずの出荷玉数日本一であることをPRしたい、本学コミュニティサービスラーニング(CSL)※に参画する学生らの地域に貢献したいという3者の思いから実現したものです。

香美市物部川流域のブランドユズ「物部ゆず」は、果皮に傷や日焼けのない玉の美しさと棚持ちの良さが特徴で、生産量の約69%が青果として出荷されています。青果ユズは、皮を器に見立てた「ゆず釜」など目で楽しむ料理に使用され、旅館や料亭からの需要が高く、品質も高い評価を得ていますが「物部ゆず」の知名度は高くはありません。また、この地域では高齢化が著しく、急斜面での作業が負担となって離農者が増え、産地衰退に向かう危機感を感じています。そこで、生産者とJA高知県は「ブランドユズの産地として知名度を上げ、やりがいのある農業を紹介して新規就農者の増加につなげよう」と懸命に取り組んでいます。

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こういった課題や思いに共感した本学CSLの学生らは、自らがゆず収穫に関わり、特に若い世代に「物部ゆず」をPRし地域に貢献する活動を行っています。 今回の体験を通して「IT技術を使うことにより、作業の効率化につなげたい」「スマートグラスを通じてベテラン生産者から遠隔で指導を受けられるなど、新規就農者が入りやすい環境を整えたい」「もっと若い世代に、物部ゆずブランドを知ってもらいたい」 と語りました。今後も、地域・学生・先端技術の連携によって、地域の活性化に貢献していきます。

CSLの活動はこちらからご覧いただけます。

※コミュニティサービスラーニング(CSL)とは、大学における学びと社会における諸課題の解決を具体的な実践活動を通して結合させていく学びの手法です。このような視点から実践される様々な地域のみなさまとの活動によって、双方向の人間関係を育み、学生の資質や社会性を高め、課題解決力、チームとしての実践力などを高めていくことが期待されます。

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