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- 小廣教授らの開発したナノ粒子を活用した「マリモセメントLC」が高知県地場産業大賞…
環境理工学群の小廣 和哉教授、大谷 政孝准教授と宇治電化工業株式会社とが大量合成方法を確立した球状多孔質ジルコニアナノ粒子(通称「MARIMO(Mesoporously Architected Roundly Integrated Metal Oxide)」)を、YAMAKIN株式会社が活用し開発した「KZR-CAD マリモセメントLC」が、「令和3年度 第36回 高知県地場産業大賞」を受賞しました。本賞は、公益社団法人高知県産業振興センターが、県内の優れた地場産品や地域の産業振興に貢献のあった活動を表彰しているもので、今年度は55件の応募がありました。
受賞となった「KZR-CAD マリモセメントLC」は、人工歯(CAD/CAM冠)の土台となる歯に強固に接着することができる歯科用接着剤です。人工歯は従来の歯科用接着材に対する反応性が低く、接着力の向上が求められていました。本接着剤は、本学で開発した比表面積が非常に大きい球状多孔質ジルコニアナノ粒子とチオール化合物を接着材に最適量配合することにより、従来のジルコニア粒子では成し得なかった光透過性と接着力を高いレベルで両立させています。
本技術を活用し製品化された高機能歯科用接着剤は、光透過性に優れ、光照射のみで人工歯を接着できるため術者の操作が容易であり、かつ、従来品と比べて脱離しにくくなるため、歯科治療を受ける方々の生活の質の向上に貢献しました。
産学官連携による先端技術の商品化であることや国内外市場への展開が期待されることなどが高く評価され本賞の受賞に至りました。
(写真1枚目:本発明で活用した「MARIMO」のSEM画像、2枚目: 受賞した歯科用接着剤「KZR-CAD マリモセメントLC」)
受賞を受けて、小廣教授は「本学で生まれたMARIMOを育ててくださったのが、宇治電化工業株式会社、それを商品にしてくださったYAMAKIN株式会社、それをバックアップしてくれたのが、高知県ということで、産官学がピッタリはまった結果だと思います」と語りました。
小廣教授の研究成果に基づく社会貢献事例はこちらからご覧いただけます。
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