2022.5.25地域・一般 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

野田 聡人准教授が文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞しました

4月8日、文部科学省から「令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」の受賞者が発表され、システム工学群の野田 聡人准教授が、「サーフェイス分散型エレクトロニクスの研究」の業績から若手科学者賞を受賞しました。

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科学技術分野の文部科学大臣表彰は、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、我が国の科学技術の水準の向上に寄与することを目的に授賞しているものです。若手科学者賞は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者を対象としたもので、応募数371名のうち、98名が受賞しました。

野田准教授は、人の生活・社会が良くなるように、エレクトロニクスの力を活用するための研究をおこなっており、現在はまだ電子回路と無縁のモノにまで電子回路を組み込むことをめざしています。特に、電子回路への電源の供給とデータ通信を、小さな電子回路の一つ一つに個別に配線せず、かつ、空中に強い電磁波をまき散らすことなく実現するための、二次元通信の研究に継続的に取り組んでいます。
シート状の導波路を伝搬する電磁波を近接通信や非接触給電に応用する二次元通信は、実用化が期待される日本発の技術ですが、研究の萌芽期にあり未解明の点が多く残されていました。

そこで野田准教授は、二次元導波路上の電力伝送効率の理論的な上限の解明や選択的給電の原理の考案など、二次元通信を実用技術とするための基盤の整備に大きく貢献しました。加えて、バッテリーレスの低機能な小型電子回路を二次元伝送路上で多数動作させるシステムの研究から、従来のエレクトロニクスの価値観とは対照的な「低集積・広分散」による新たな価値創出の糸口を見出しました。

本研究成果は、生活空間のあらゆる構造物の表面にセンサ等が分散した便利・安全・安心な高度IoT環境の実現や、全身にわたる生体信号の記録による健康管理・予防医療への応用、全身触覚刺激呈示スーツによるバーチャルリアリティ産業の拡大などに寄与すると期待されます。

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野田准教授は「学生時代から続けてきた研究業績を、若手研究者にとって最高クラスの栄誉ある若手科学者賞という形で評価いただき大変光栄です。4月に着任したばかりですので、本業績は高知工科大学着任以前のものですが、本学ではこれを上回るさらにインパクトの高い成果をめざして新しい研究テーマに挑戦していきます。本学は高度な教育・研究水準を維持するためのさまざまな工夫が凝らされた、非常に魅力的な環境であると実感しています。本学の学生の皆さんと世界一流の研究にチャレンジできることを楽しみにしています」と抱負を語りました。

文部科学省ホームページ:令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等の決定について
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00989.html

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