2022.8. 5在学生・保護者 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究

大西 智樹さんが日本材料学会第71期学術講演会にて優秀講演発表賞を受賞しました

5月31日、大阪科学技術センター(大阪府)で、「日本材料学会第71期学術講演会」が開催され、大西 智樹さん(大学院修士課程 航空宇宙工学コース 2年/指導教員:先端機械・航空材料工学研究室 高坂 達郎准教授)の研究発表が優秀講演発表賞を受賞しました。

日本材料学会優秀講演発表賞は、学術講演会における特に優秀な講演発表に対して授与されるもので、92件の発表の中から9名が選ばれました。

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大西さんは、「センサ埋め込み状態が複雑形状FRPの硬化度測定に与える影響」をテーマに、複雑形状FRP製品の成形におけるリアルタイムで高精度な硬化度測定を実現するための埋め込み式センサについての研究成果を発表しました。

FRPとは繊維強化プラスチックという材料で軽量かつ高強度という特徴があり、近年ではこのような特徴から、航空機のみならず自動車やバイク・スポーツ用品等、様々な製品にも使われており、複雑形状のFRP製品が数多く開発されています。

複雑形状のFRP製品の成形においては、シミュレーションでは予測困難な樹脂硬化速度のムラが生じやすく、その結果、製品内部に残留応力が発生し、材料強度が損なわれてしまうという問題があります。本研究では、フレネル反射型光ファイバセンサ※1を複雑形状のFRP製品に埋め込んだ際の埋め込み経路損失を定量化し、埋め込み安定性を評価すると共に、埋め込み方法を工夫することで複雑形状の製品においても高精度の測定を可能としました。

この研究が進むことで、シミュレーション結果だけでなく、リアルタイムの実測値からも硬化速度のムラが発生しない最適成形条件が求められ、製品の成形条件が容易に決定でき、開発期間や開発コストを抑えられる事が期待されます。

大西さんは今回の受賞について、「多くの発表の中から優秀講演発表賞に選出していただき、たいへん光栄に思います。日々ご指導いただいている、高坂達郎准教授や藤岡玄紘助教をはじめとする先端機械・航空材料工学研究室の皆様には心より感謝しております。これからも研究を通じて社会の役に立てるよう、更なる研究を進め、結果が出せるよう、身を引き締めて精進していきます」と、喜びと今後の抱負を語りました。

※1 フレネル反射型光ファイバセンサ 先端機械・航空材料工学研究室(高坂達郎准教授)が開発しているセンサで、フレネル反射を利用したシンプルな構造、かつ安価での運用が可能という特徴がある

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