2022.12.27在学生・保護者 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究

入江 康平さんが第60回飛行機シンポジウムにおいて学生講演優秀賞を受賞

10月11日~13日の間、朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター(新潟県)で開催された「第60回飛行機シンポジウム」で、入江 康平さん(大学院修士課程航空宇宙工学コース2年・鳥取県立倉吉西高等学校出身/指導教員:機械・航空システム制御研究室 原田 明徳准教授)が学生講演優秀賞を受賞しました。  

本賞は、学生による発表のうち、優秀な講演者に対して授与されるもので、18件の発表の中から3名が選ばれました。

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入江さんの発表したテーマは「レーダデータを用いた上昇フェーズにおける航空機の質量推定」です。

入江さんは、航空機監視レーダで取得された定期旅客便の航跡データから、航空機の質量を推定する方法の開発に取り組みました。
新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に減少していた航空交通量も回復傾向が見られ、将来は引き続き増加の一途を辿ると予想されており、交通量増加に伴う運航効率の低下が懸念されています。それを改善すべく航空交通管理の変革に向けた研究開発を促進させるために国土交通省航空局では将来の航空交通システムに関する長期ビジョンCARATSが策定されており、その一環として日本国内の飛行航跡データが公開されています。このオープンデータには、緯度・経度、気圧高度といったレーダにより取得できる航跡情報のみが収録されていますが、入江さんはこのオープンデータに、気象データおよび機体の性能モデルを適用して計算することで、機体の質量を比較的良好な精度で推定できることを確認しました。
本研究にて着目した航空機の質量は、運航効率の定量化や、飛行軌道の予測など航空交通の重要な研究に必須な情報であるものの、航空会社の経営に関わる指標の一つで一般的には非公開であるため、公開されている利用可能なデータのみから正確な質量を推定する方法を確立することで、将来の航空交通管理に必要な中核的技術への貢献が期待されます。

受賞を受け、入江さんは「航空工学分野の極めて質の高い発表ばかりが並ぶ中、このような貴重な賞を受賞することができ大変光栄に思います。指導してくださった原田 明徳准教授、研究室の同期、様々な助言をいただいた関係各所の皆様に心から感謝申し上げます。また、研究にあたり学生生活を支えてくれた家族にも感謝します。昨年も同期が同賞を受賞しており、2年連続で当研究室の研究成果が認められ嬉しく思います。この研究が航空交通管理分野の発展の一助になることを期待しますとともに、本学で培ったことを今後の人生に活かして邁進してまいります」と語りました。

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