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- 小廣教授が「本学発の超微粒子『MARIMO』から始まる材料科学のイノベーション」…
5月17日、本学地域連携機構主催の地域連携セミナー2023をハイブリッド形式で開催、企業や行政関係の方々など約80名にご参加いただきました。
本セミナーは、本学の専門性に根ざした地域貢献事例を紹介し、地域の未来を地域の方々とともに考え、議論することを目的に2018年度から開催しています。
本年度第1回目は、本学 地域連携機構長の小廣 和哉教授と宇治電化学工業株式会社 主任研究員の岡添 智宏氏(本学客員研究員)が、 「本学発の超微粒子『MARIMO』から始まる材料科学のイノベーション」をテーマに講演しました。
MARIMO(Mesoporously Architected Roundly Integrated Metal Oxide)とは、ナノメートルサイズの金属酸化物微粒子が無数に集合した球状多孔体のことです。表面に微細な凹凸があり、表面積が極めて大きいことから、多用途への活用が期待されている新規材料です。
セミナーの冒頭では、MARIMOの誕生秘話が語られました。
2011年、小廣教授らが高温の液体中で化学反応を行うソルボサーマル反応の研究中、約400度・200気圧のメチルアルコールを溶媒に用いたところ、直径約500nmの球状多孔体材料が得られ、その形状が藻類のマリモに似ていることからMARIMOと命名。2012年には、産学官コミュニティ「土佐まるごと社中」の会合をきっかけに宇治電化学工業株式会社との共同研究を開始し、高知県の支援を受けて量産技術を確立。2020年6月には、MARIMOの商品化第一号として、YAMAKIN株式会社から高機能な歯科用接着剤が発売されるなど、多分野で応用研究を進めていることを紹介しました。
最後に、今後も関係機関と連携しながら、基礎学理確立・実用展開・新産業創出を通して研究者の育成をし、社会の役に立つ取り組みをしていきたいと述べ、セミナーを締めくくりました。
参加者からは「歯科用接着剤以外の商品例は?」「化粧品の材料として使用した場合の効能は?」といった質問や「息の長い取り組みだからこその研究開発の楽しさや難しさを改めて感じた」「産学官民で協力することが事業を成功させるうえで大切だということがわかった」「今後もこの技術が高知県内で水平展開して広がり、高知発の技術が発展することを楽しみにしている」といった感想が寄せられました。
セミナーの内容は地域連携機構のYouTubeにてご覧いただけます。
次回は、7月19日(水)「室戸海洋深層水を使った新製塩システムによる天然塩製造技術の開発」をテーマに室戸海洋深層水株式会社 代表取締役社長の小松 静雄氏と本学 地域連携機構の松本 泰典教授が講演いたします。
セミナーのチラシはこちらから
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