2023.5.30学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

岩井助教が日本油化学会のオレオマテリアル賞を受賞

理工学群の岩井 健人助教が日本油化学会のオレオマテリアル賞を受賞しました。
同賞は、新材料創製に関する技術開発・研究開発および環境問題等において、優れた業績をあげた若手研究員に授与され、直近3年間に学術誌に掲載された筆頭著者または責任著者となっている論文、公開された特許、発売された新商品がその対象となります。

今回受賞の対象となったのは、岩井助教が筆頭著者で、アメリカ化学会学術誌「The Journal of Organic Chemistry」に掲載された論文「Synthesis of Bis (functionalized) Aminals via Successive Nucleophilic Amidation and Amination(連続する求核的アミド化およびアミノ化による二官能基化アミナールの合成)」です。

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一般に、3つの炭素―酸素二重結合が連続して結合した骨格は反応性が高いことが知られていますが、本研究では、攻撃する力が乏しい酸アミドを用いて窒素官能基を導入しました。そして、活性な中間体を再度発生させた後、アミンを作用させることにより、異なった2つの窒素官能基を1つの炭素に導入し、アミナール類を合成することに成功しました。
得られたアミナールは、多様な骨格への誘導が可能であることから、新規な材料の創成に有用な合成ユニットとして利用することができます。従来の方法では非対称なアミナール類を得ることが困難であったことから、簡便に合成する手法を開発したことが評価され、今回の受賞に至りました。

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受賞を受け、岩井助教は「輝かしい賞を頂けて大変光栄です。今回評価された研究成果は、当時環境理工学群4年生であった日笠 光さん(大学院修士課程 化学コース2年)の努力の賜物であり、この場を借りて感謝を伝えたいと思います。今後も、本受賞を糧に精力的に研究を続けてく所存です」と喜びを語りました。

岩井助教は、日本油化学会が発行するオレオサイエンス誌に総説論文を執筆するとともに、9月7〜9日に本学永国寺キャンパスで開催される日本油化学会第61回年会で受賞講演を行い、表彰されます。


論文はこちらから

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