2023.11. 6在学生・保護者 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

村田 笑子さんが国際会議「24th International Conference on Non-contact Atomic Force Microscopy」でポスター賞を受賞

9月25日〜29日、シンガポール国立大学で開催された国際会議「24th International Conference on Non-contact Atomic Force Microscopy (nc-AFM 2023)」において、村田 笑子さん(大学院修士課程 知能機械工学コース 2年・山口県立山口高等学校出身/指導教員:極限ナノプロセス研究室 稲見 栄一准教授)が、ポスター賞を受賞しました。

★8B0A8329.jpg ★研究風景(稲見先生提供)写真 2022-12-16 19 15 19.jpg

同会議では「Measurement of Absolute Value of Local Work Function using Voltage Pulse Scanning Probe Microscopy (パルス電圧走査プローブ顕微鏡を用いた仕事関数絶対値の測定)」をテーマに発表しました。

仕事関数とは、物質から電子を放出させるのに必要な最小のエネルギーのことで、電子デバイス(例えば、太陽電池、発光ダイオード、リチウムイオン電池など)の動作性能を決定づける重要な物性値です。今日では、ナノテクノロジーの急速な進展によって、微細加工の精度は原子のサイズまで小さくなっており、各種電子材料の特性を向上させるには、仕事関数も高い空間分解能で精密に計測することが求められています。

そこで、村田さんらの研究グループは、走査型プローブ顕微鏡と数十ナノ秒という短時間に瞬間的な電圧を発生させる装置を組み合わせた新しいアプローチにより、物質の仕事関数を原子レベルの空間分解能で精密に計測する方法を提案、その実現に向けた予備実験の成果を報告しました。

本研究が進展し、次世代の機能材料やデバイスの研究開発を原子レベルの精密な物性予測に基づいて行えるようになれば、コンピュータの更なる小型化、高性能化、低コスト化・省エネ化などにつながります。

研究概要(村田).jpg

(パルス電圧走査プローブ顕微鏡の原理)

受賞を受け、村田さんは「世界から研究者が集まる国際会議という場で評価いただき、光栄です。ご指導いただいた稲見先生をはじめ、研究室の皆様に深く感謝申し上げます。これまで測定されたことのない原子レベルの仕事関数絶対値が正確なのかを理論的に調べるため、英語の文献から情報取集することに苦労しました。今後は、電流ノイズを考慮した解析ができる原理の構築に力をいれて研究していきます」と意気込みました。

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