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- 渡辺 菊眞教授が国際建築賞WA Award 49CycleのDesigned A…
現代建築の議論に影響を与えるような優れたプロジェクトを表彰する「World Architecture Community Awards」の第49回表彰において、システム工学群の渡辺 菊眞教授がDesigned Awardを受賞しました。
渡辺教授はこれまでに6度のWA Awardを受賞していますが、アンビルトの建築が対象となるデザイン部門での受賞は初。表彰作品は「Passive House Blessed With Sun Space For Grapevine(ぶどう棚の日当たりを利用したパッシブハウス)」です。
整形されていない傾斜地に作られるため、地盤の地形が屋根形状にそのまま反映された珍しいフォームのぶどう棚の温室。奈良県生駒郡周辺で多く見られます。この温室は、傾斜ゆえに全方向から太陽熱を集めることができ、温められた空気は上昇して温室の最上部へと吹き抜けます。ここから着想を得た渡辺教授は、温室に隣接し、温室の熱を暖房として活用するパッシブハウスをデザイン、設計しました。
住居は、10㎝直径程度の軽微な鋼管杭で支えられた浮き床で、土地の地形を反映したスキップフロアになります。建物中央には塔が配置され、冬季は家中を循環した暖かい空気を吸い込み戸外へ放出、夏季は夜間の換気とともに、浮き床下に溜まった冷気を吸い込み自然冷却を行います。自然エネルギーを活用したエコな建築です。
温室と一体となった空間は、農業の風景でありながら、「大地の芸術」として壮大な景観を生み出しています。
渡辺教授は「農業とコンビネーションを組む建築をずっと考えていて、2019年から5年をかけて完成したものが評価していただけたことを嬉しく思います。これまでは実際に建った建築を応募してきましたが、今回は実現していないプロジェクトに対して賞をいただけたということで、依頼を受けてではなく、大学に身を置き自ら構想し研究として設計を行う者として意義があると感じています。こういった建築はまだいくつか考えておりますので、完成したら、今後も発信していこうと思っています」と語りました。
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