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- 高尾 優一さんがヒューマン情報処理研究会でベストプレゼンテーション賞を受賞
大学院修士課程 情報学コース2年の高尾 優一さん(指導教員:知覚認知脳情報研究室 繁桝 博昭教授)が、2月17、18日に沖縄県で開催された映像情報メディア学会 ヒューマンインフォメーション研究会(*1)で研究発表を行い、ベストプレゼンテーション賞を受賞しました。

高尾さんが発表したテーマは、「余剰肢の身体化が自己身体の注意資源配分に与える影響」です。
近年、作業効率の向上や複雑なタスクの支援を目的として、ロボットアームなどを自分の"第3の腕"(余剰肢)のように追加し、操作する技術の研究が進んでいます。こうした「拡張身体」において、追加された身体の一部を自分のように感じて操作できる状態を「身体化」と呼び、技術を実装していく上でも重要視されています。
しかし、本来の「自分の腕」に加え、「余剰肢」を身体化することで、追加された余剰肢に注意が割かれてしまい、本来の自分の腕に対する注意力が低下してしまう可能性も考えられます。そこで、高尾さんたちの研究チームは、VR(Virtual Reality:仮想現実)技術を用いて、余剰肢を追加した際の注意力への影響を調べる実験を行いました。
実験では、参加者はVRゴーグルを被り、両手(自分の手)と、両足の動きに連動して動く「2本の余剰手」の、合計4本の手を持つアバターを操作します。
そして、追加した余剰手を「自分の手」のように感じさせるための課題(身体化課題)を行った後、視界の様々な場所に現れるターゲットにどれだけ早く反応できるかというテストを行いました。注意が向いている場所ほど、人間は早く反応すると考えられます。
こうした実験を条件を変えて行った結果、追加の手(余剰手)が現れても、本来の自分の身体に対する反応時間に差が生じないことがわかりました。
つまり、腕の数が増え、視覚的な情報が多くなっても、本来の自分の身体に対する注意の配分(注意力)は変化せず、余剰手を受け入れるポテンシャルを持っている可能性が示されました。
受賞を受けて、高尾さんは「本研究は、余剰肢を用いた身体拡張において、人間の注意がどのように配分されるのかを明らかにすることを目標としています。研究の結果は、拡張身体の有用性を否定するものではなく、実装に向けた設計指針を検討する上で重要な示唆を与えるものであったと考えています。本研究の成果は、研究活動を通して多くの方々から頂戴した貴重なご助言の賜物であると感じております。学会発表では、内容に加えて発表自体を評価していただけたことを大変うれしく思います。これまでご指導いただいた繁桝博昭先生をはじめとする先生方、研究室の皆様、そして日頃支えてくれた友人に心より感謝申し上げます」と語りました。
*1):電子情報通信学会 ヒューマン情報処理研究会、日本バーチャルリアリティ学会 VR心理学研究委員会、日本音響学会 聴覚研究会 の共催
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