2026.9. 3在学生・保護者 / 地域・一般 / 地域貢献 / 研究 / 研究者・企業

前田 和範准教授がAASM Conference 2026でBest Paper Awardを受賞

8月21日、22日にタイ・バンコクで開催された「20th Asian Association for Sport Management Conference(AASM Conference 2026)」において、経済・マネジメント学群の前田 和範准教授(スポーツマネジメント研究室)、東洋大学の山下 玲准教授、立命館大学の高田 紘佑講師による共同研究が、Best Paper Awardを受賞しました。

AASM Conferenceは、スポーツマネジメント分野の研究・教育・実践の発展を目的とするAsian Association for Sport Management(AASM)が主催する国際会議です。2026年大会は「Aging Society: Challenges and Opportunity in Sport Management and Innovation(高齢化社会におけるスポーツマネジメントとイノベーションの課題と可能性)」をテーマに開催され、190件の研究発表が行われました。

9F5A5974_2000.jpg

発表題目:Beyond Performance in a Nature-Based Endurance Sport Event: Self-Efficacy Transfer Model(自然環境型エンデュランススポーツイベントにおける競技パフォーマンスを超えた価値:自己効力感転移モデル)

本研究では、高知県で開催されている四万十川ウルトラマラソン100kmの部に初めて参加した119名を対象に、大会前から大会後3か月まで計4回の追跡調査を実施。その結果、スポーツに関する自己効力感(「自分ならできる」という感覚)の向上が確認されたほか、環境保全に関する自己効力感(環境に配慮した行動を自ら実践できるという感覚)にも好影響を及ぼし、その効果が大会後も継続する可能性が明らかとなりました。

四万十川ウルトラマラソンは、豊かな自然環境を舞台に開催される高知県を代表するスポーツイベントの一つです。前田准教授らはこれまでにも、同大会への参加が日常生活における環境配慮行動の促進につながる可能性を示しており【詳細はこちら】、今回の研究はその背景にある心理的なメカニズムの解明を試みたものです。

具体的には、スポーツイベントへの参加を通じて獲得した自己効力感が、スポーツ以外の生活領域にも広がる可能性を説明する「Self-Efficacy Transfer Model」を提案し、さらに、100kmウルトラマラソン参加者を対象とした縦断調査により、自己効力感の変化とその波及過程を実証的に検証。スポーツイベントがもたらす新たな社会的価値を示しました。

DSC07447_1.jpg DSC07448_1.jpg

<前田准教授コメント>
このたび、国際学会でBest Paper Awardをいただき、大変光栄に思っています。

四万十川ウルトラマラソンを対象とした前年度の研究成果は、国際的な学術誌から発信することができました。今回はそこからさらに研究を発展させ、100kmという困難なスポーツへの挑戦を通じて得られる「自分ならできる」という感覚が、スポーツの枠を超えて他の領域にも広がっていく可能性に着目しました。

四万十川ウルトラマラソンは、雄大な自然環境だけでなく、大会を支える地域の皆様や多くの関係者によって成り立っている、高知県を象徴するスポーツイベントの一つです。こうしたフィールドから生まれた研究成果を継続して世界に発信し、今回、国際学会でも評価していただけたことを大変嬉しく思います。

研究・調査の機会を提供してくださった四万十川ウルトラマラソン実行委員会をはじめ、大会を支えておられる地域や関係者の皆様、複数回にわたる調査にご協力いただいた参加者の皆様、そしてそれぞれの専門性を持ち寄りながら研究を進めてきた共同研究者など、本研究に関わってくださったすべての皆様に改めて感謝申し上げます。

今回の受賞を励みに、今後も高知県の豊かな自然やスポーツイベントが持つポテンシャルを研究によって明らかにし、スポーツが人々の行動や地域社会にもたらす価値を、スポーツマネジメント研究として国内外に発信していきたいと考えています。

RELATED POST

関連記事