柔軟性有機分子集合体研究センター

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センター概要

背景

柔軟性有機分子集合体研究センター(FOREST)は、2024年4月に総合研究所に設置されました。有機化学を中心とした破壊的なイノベーションを実現すべく、設計・合成・計測における新テクノロジーを取り込み、最新鋭の研究基盤を持って新しい課題に取り組みます。
センター名はセンター長の開発した柔軟性分子結晶にちなんでおり、柔軟な発想で有機分子集合体の化学を理工(学術開拓)と技術(社会貢献)へ昇華しようという意気込みを表しています。

目的

我々は "単一分子"と"分子組織化体"を密接に結びつけることで、光や熱、機械的機能をもとにした有機分子材料シーズを創出し、将来的な社会実装をにらんだ次世代材料の開発を目指します。

主要研究課題


1. 自立型有機フォトニクス材料の実現

有機分子のボトムアップ(集合体組織化)によって、free-standingな材料を実現します。その組織化において鍵となるのが様々なフォトニクス応用を可能にする分子構造とマイクロ材料の形状です。これ前の分子設計技術と組織化方法をアップデートし、光を優しく取り込むデバイスへと展開します。

2. 高強度接着材料の設計・開発 

ナノーマイクロからマクロスケールな材料に対応する物理接着を目指した材料を設計します。ナノ材料や細胞といった小さな世界から我々の裸眼で観測できる大きな世界において、物と物を繋げることは非常に大切です。ここでは、高い強度で接着できること、環境に害がないこと、選択的であること、何度でも使用できることを目標に開発します。

3. 環境にやさしい機能性ポリマーの開発

毒性のない高分子の作り方、分解してさらにものづくりに活かせる方法論、これらは新しいポリマー材料においてとても重要です。これまで培ってきた有機高分子合成の知見と技術を活かし、新しいポリマーを開発します。

4. 前例のない固体材料分析法

多くの化学分析手法が確立された近代科学において、社会実装に向けた一つの指針は固体材料をダイレクトにかつ正確に観察することだと思います。そこで、これまでに構築した装置環境を利用し、新しい分析手法を提案すべく検討を行います。

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