2019.5. 7在学生・保護者 / 地域・一般 / 地域貢献 / 研究 / 研究者・企業

日本初!宇宙到達した民間開発ロケットで観測実験を実施

5月4日、システム工学群 山本 真行 教授が開発した超低周波音(インフラサウンド)計測器を搭載した民間開発ロケット「MOMO3号機(インターステラテクノロジズ株式会社 開発)」の打ち上げが成功し、本学は成層圏上部から熱圏下部での観測実験による貴重なデータ採取に成功しました。

民間開発ロケットの宇宙空間到達は日本初のことであり、それによる科学実験も日本初となりました。

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(提供 インターステラテクノロジズ)



山本教授は、ロケットが空気の少ない高層大気を放物線軌道で通過する間に、ロケット先端部に搭載した機器が発するブザー音と射場付近から打ち上げる花火により発生させたインフラサウンドとを、ロケット内の計測器で観測する実験を行い、データ採取に成功しました。
また、同花火により発生させたインフラサウンドを地上11か所でも観測する実験を同時に行いました。

空気の少ない環境での音の伝わり方を分析するという、観測ロケットでしかできない実験を成功させ得られた今回のデータは、今後、津波・雷・台風・噴火等の災害に繋がる自然現象を観測するための技術向上につながる重要なものとなります。

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(観測ロケット先端部に搭載したインフラサウンド計測器 左からメインマイク、サブマイク、ブザー)

射場である大樹町には、山本教授をはじめ同研究室の学生5名が4月26日から出向き、ロケット先端部に搭載した計測器の事前動作チェックや地上での観測準備を行いました。

山本教授は、「学生5名と共に北海道大樹町で約1週間を過ごし、国内民間初となる単独開発ロケットでの高度100 km到達の現場に立ち会うことができ嬉しく思います。日本のベンチャー宇宙開発が新しい時代への扉を開いた瞬間に、私たちの観測装置を搭載でき、防災研究にも繋がる貴重なデータを取得できました。IST社ならびに本実験に関係された皆様方に感謝申し上げます」と実験成功を喜びました。

学生の大畑 遥さん(大学院 工学研究科 1年)は、「地上11か所に設置したセンサーが、全て正常にデータを取得できたことは大きな成果であり、大変嬉しく思います。打ち上げ延期が重なり大変心配しましたが、4日に無事打ちあがり安心するとともに、その現場に立ち会えたことは貴重な体験となりました。特に、自分たちと年齢が変わらない若い人が、IST社のプロジェクトマネージャーとして活躍されている姿を見て、自分の将来を考える上での大きな刺激となりました」と感想を述べました。

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