2019.6.14卒業生 / 在学生・保護者 / 地域・一般 / 学生生活

環境建築デザイン研究室の展示会「環展」を開催しました

6月8日~9日、本学香美キャンパスにおいて、環境建築デザイン研究室(システム工学群 渡辺 菊眞准教授)の展示会「環展」を開催しました。

環境建築デザイン研究室は、自然の作用を建築的工夫により最大限いかす「技術的環境建築」と、地域の場所に立ち・歴史を読み解いて構想・構築する「文化的環境建築」を統合した、「総合的な環境建築」の構築を目指している研究室です。「総合的な環境建築」により、環境負荷が小さく快適な屋内の温熱環境と、建築物がたつ地域の風景と呼応する豊かな空間が実現されます。

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本展示会では、「もしも与島に住んだなら」・「西田 匠建築展」・「Passive Solar Architecture」の3つの企画と「Award18修士研究 卒業制作」をテーマに、現役学生や卒業生、渡辺准教授が設計した模型やパネル、修士論文、研究室関連の書籍など約20作品を展示しました。

「もしも与島に住んだなら」では、学生が与島を一日探訪して敷地を選び、自分が一生ここで暮らすと仮定し、即日設計に挑戦した8作品を、パネルと模型にて完成させ展示しました。

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「斜面地にたつ擁壁の家」を制作した、中村 晋作さん(大学院修士課程 社会システム工学コース 2年)は、「山の斜面にある擁壁の存在感と斜面地を見上げた時の空の開けた風景に惹かれ擁壁の下の土地を計画敷地に決めました。敷地に立つとみえる擁壁や樹木などに囲まれた「近くて立体的な地形の風景」と、擁壁の上に立つとみえる瀬戸大橋の「遠くて平面的な与島の風景」の違いを体感できるよう設計しました」と作品を紹介してくれました。

また、即日設計について、「"なぜこの敷地に着目したのか、自分はここでどう過ごすのか"といった思考を短時間のうちに筋道たてて設計に反映させることが試されるのでとても刺激的でした。設計中は自分の考え方の癖に気づかされたり、学んだことを振りかえることができ、自分と向き合う貴重な経験となりました」と即日設計に挑戦した感想を語ってくれました。

待望の初個展となる「西田 匠建築展」では、「JIA全国学生卒業設計コンクール2018」で53作品のなか、見事、全国1位(金賞)に輝いた「建造物による風景の時空間化 ― ダム建設により変化する風景を体感できる空間の創出」のほか6作品の模型とパネルを展示しました。

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西田 匠さん(大学院修士課程 社会システム工学コース 2年)は、「今回、これまで制作した作品を一気に展示することにより、自分の興味・関心のあることに改めて気づくことができました。これから取り組む修士設計では、積み重ねてきた集大成の作品を制作できるよう頑張りたいです」と語ってくれました。

「Passive Solar Architecture」では、建築的工夫により、太陽の光や熱、風などの自然の恵みを最大限受けとることで夏涼しく冬は温かく過ごすことができ、さらに風景と響きあう空間性も備えた8作品を展示しました。

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「子供と風が集まる保育園」を課題設計した、小川 善弘さん(大学院修士課程 社会システム工学コース 1年)は、「保育園に集まる道に着目し、道のつながりをそのままいかせるよう円形の保育園を設計、中央には子供が集まる遊戯室を設置、風を集めるために2階には窓も多く設け、快適な空間と子供達にとってもわくわくする空間をつくりだしました」と作品を紹介してくれました。

この他、2018年度に構築された2つの修士研究と、1つの卒業制作を展示しました。

2日間行われた本展示会には、これから研究室配属を考えるシステム工学群の3年生や、建築を学びはじめた2年生が訪れ、「どうやって建てるかだけでなく、敷地との結びつきや環境のこと、見方やレイアウトなど考えることが多い」と熱心に作品を見入っていました。

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