2019.8.29地域・一般 / 地域貢献 / 研究 / 研究者・企業

本学と株式会社コア電子が共同開発した「連続式次亜塩素酸スラリーアイス生成装置」を初公開

8月21日~23日の3日間、東京ビックサイトで開催された「第21回ジャパンインターナショナル・シーフードショー」で、松本 泰典 准教授(システム工学群 ものづくり先端技術研究室)が地元の企業である株式会社コア電子と共同開発した「連続式次亜塩素酸スラリーアイス生成装置」を初公開しました。

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高知県産業振興センターのブースに、本装置を展示し、塩分濃度1%-0.9℃のシャーベット状のスラリーアイスを連続的に生成するデモンストレーションを行いました。

従来の循環式生成装置は、塩水を製氷機と貯水タンク間で循環させながら生成するため、氷充填率が25%以上のスラリーアイスとなるには8~12時間かかり、急な需要に対応出来ないことや、貯蔵したスラリーアイスの状態維持が困難であるなどの課題がありました。

そのため、それらの課題を克服すべく、5年前から連続式生成装置の開発に着手し、松本准教授の専門分野である伝熱工学,化学工学等に基づき、伝熱面に生成させる氷膜に対しての切削法やスラリーアイスを搬送する攪拌形状などの研究開発を重ね、このほど起動から15分で必要なだけ必要な場所に連続供給できる本装置の開発に成功しました。

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また、株式会社コア電子と共に、市場や養殖現場、漁船などでの魚介類の鮮度保持の需要に応えるべく、食品添加物として安全性が認められている次亜塩素酸水をオプションで設置できる機能も開発しました。殺菌力を付加した「次亜塩素酸スラリーアイス」を生成することにより、鮮度保持と衛生管理を同時に行うことが可能となりました。

展示ブースには、水産加工業者、養殖業者、自治体の水産担当者などが、途切れることなく訪れ、ホースから流れ出るスラリーアイスに手で触れ、-0.9℃と思えない冷たさと滑らかさに驚き、その仕組みやメリット、活用方法などの説明を熱心に聞き入り、終始質問が飛び交うほどの盛況振りでした。 

訪れた養殖業者からは「出荷工程での鮮度保持に是非活用したい」、また、量販店業者からは、「刺身での提供期間が延びるのであればバックヤードに直ぐにでも導入したい」などと、今後水産分野において新たにHACCP(食品製造行程中の危害防止につながる重要管理点を特定する基準)が必要とされる中、衛生管理の課題克服も可能な本装置に高い関心を持たれていました。

3日間を通じ、本学も企業も、互いの交流により共同研究や商談の見込みの発掘はもとより、現場の課題や競合技術の最新動向の情報交換や収集ができ、今後の事業展開や改良開発における有効な機会となりました。

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