2019.9. 6地域・一般 / 地域貢献 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

上村准教授が「わが国の企業における効果的な企業統治の展開」について講演しました

8月28日、上村 浩 准教授(経済・マネジメント学群)が、ココプラ(高知県産学官民連携センター)主催の「令和元年度 第6回シーズ・研究内容紹介」で、「わが国の企業における効果的な企業統治(コーポレート・ガバナンス)の展開」をテーマに講演し、地元企業関係者など約20名が参加しました。

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講演の冒頭、アメリカ等では独立した取締役により構成された監査委員会による会社の監視システムが有効とされていることを踏まえ、日本では「コーポレート・ガバナンス・コード※」を策定することで、社外取締役や独立取締役を増やし、ガバナンスの独立性を高めようしているという説明がなされました。
一方、ガバナンス改革の国際化を行い会計基準を統一することは、それぞれの国に独自の組織文化があるため、効果のないケースもあるという先行研究を紹介しました。

上村准教授は、日本のガバナンス・コード適用の効果測定を行い、利益情報の質(業種別、収益とキャッシュの乖離)と公認会計士への報酬額(監査におけるチェック項目数)の2つの観点から、その検証結果を根拠データを交え解説しました。その結論として、独自の組織文化のある日本において、ガバナンスの独立性を高めることよりも、社内の実情をよく知る内部者の比率を高めることが、重要であるという結論を導き出したことを説明しました。

講演の最後には、今後の展望として、監査役会の内部者と外部者の最適比率、内部監査の重要性を見直す研究が課題になると話しました。

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聴講者は皆真剣にメモを取りながら聞き入っており、質疑応答では熱心な質問が飛び交いました。

聴講した方からは、「素人の私にもわかりやすい内容で、企業統治や監査の業界に興味をもつことができ、楽しく講演を聞くことができました。また、研究や大学の先生の大変さがわかりました」との感想がありました。

※東京証券取引所が上場企業に適用を始めた企業統治の指針。その中で取締役会に独立社外取締役2名以上の選任が必要と定めている

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