2019.9. 3研究 / 研究者・企業

伊藤講師らの研究論文が、Inorganic Chemistry誌のSupplementary Coverに採用されました

環境理工学群 伊藤 亮孝講師らの研究論文が、無機化学分野の学術誌「Inorganic Chemistry」(2019年55号:8月19日発行)の「国際周期表の年記念特別企画」("Celebrating the Year of the Periodic Table: Emerging Investigators in Inorganic Chemistry")に掲載され、Supplementary Coverに採用されました。

伊藤講師所属の「光機能化学研究室」では、光吸収/発光性を示す新たな物質や様々な光機能性を示す系を創出し、その詳細の理解をめざしています。

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掲載された論文のタイトルは「Electrochemical and Spectroscopic Behaviors of a Novel Ruthenium(II) Complex with a Six-Membered Chelate Structure(六員環キレート構造を有する新規ルテニウム(II)錯体の電気化学および光化学挙動)」
ルテニウム(II)イオンを中心にもつ化合物の一部は、人工光合成などの光-エネルギー変換システムにおける光吸収剤や有機ELなどの発光デバイスにおける発光剤として利用されています。これらの性質には、金属-配位子電荷移動(MLCT)とよばれる特徴的な挙動が極めて重要です。これまでは、このMLCTに関連する部分構造として、ルテニウム(II)イオンと4つの周辺原子が環構造を形成するものばかりが使われてきました。
本論文では、ルテニウム(II)イオンと5つの周辺原子によって六角形の環構造をつくる「六員環キレート構造」をもつ新規化合物を合成し、その性質を明らかにしました。この化合物は従来のものよりも広い可視光を吸収することができることから、人工光合成や色素増感太陽電池などへの利用が期待されます。

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