2020.3. 5学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

横山創一助教らの論文がCrystal Growth & Design誌のSupplementary Coverに採用

横山 創一助教西脇 永敏教授(共に環境理工学群)らの研究論文が、American Chemical Societyが発行するCrystal Growth & Design誌のSupplementary Coverに採用されました。

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掲載された論文のタイトルは「Vapochromic Properties of Diethenylpyrrole with Naphthyl Tethers Induced by Formation of a Distorted Structure in the Solid State(末端にナフチル基を有するジエテニルピロールの分子ねじれによって誘起されるベーポクロミック特性)」です。
横山助教らの研究グループは、特定の有機溶媒蒸気を高感度に検出する、貴金属を含まない新しい発光性有機材料の開発に成功しました。

研究施設や工業施設などで使用される有機溶剤には人体に有害な成分も存在するため、特定の溶媒蒸気を選択的に検出する手法の開発が望まれています。特定の有機溶媒の蒸気にさらすと発光色が変化するベーポクロミック材料は、高感度に溶媒蒸気を検出することができるため検出材料への応用が期待されていますが、大半の材料には高価な白金や金などの貴金属原子を含んだ分子骨格が使用されています。

本論文では、特定の物質を捕捉し、分子の構造が変化し大きくねじれる分子骨格を設計・合成することで、貴金属を含まずに発光色変化を示す材料開発に取り組んだことについて説明しています。実際に得られた有機分子の固体粉末に特定の溶媒蒸気を吹き付けると、発光色が橙色から緑色へと変化します。これは、溶媒分子を取り込むことで分子の構造が大きく歪み、分子の積層構造が変化したためであると実験的に明らかにしています。

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本研究のコンセプトならびに得られた成果は、安価に様々な有機溶媒蒸気を選択的に検出する材料開発への応用が期待されます。

掲載内容はこちらから閲覧可能です。

(S. Yokoyama, H. Asahara, N. Nishiwaki, Cryst. Growth. Des. 2020, 20, 1383-1387.)

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