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ナノテク研シンポジウム2020を開催

11月14日、総合研究所 ナノテクノロジー研究センター主催の「ナノテク研シンポジウム2020」をWeb開催しました。
本シンポジウムは、学内、学外のナノ材料研究者の交流のきっかけをつくり、 互いの研究分野を知ることで今後の研究協力の可能性を見いだし、 研究をさらに活性化することを目的として毎年開催しており、今年で10回目となります。

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(優秀発表賞を受賞した坂本さんの発表画面)

今回は、14件の学生による口頭発表が行われ、それぞれ熱心な議論や情報交換が交わされ、優れた研究発表として4件の優秀発表賞が授与されました。

受賞者のひとり坂本 ひかるさん(博士後期課程 基盤工学コース 1年)は「オルトフタル酸でつなぐ準安定な金属有機結晶の配位置換反応」のテーマで発表しました。
坂本さんは、不安定なMOF結晶※の構造が崩壊(望んでいない物質へと)変化しやすく、MOF研究において積極的に利用されていないが、先行研究の調査により、不安定なMOFを分解してしまう水分子がある条件下でMOFに配位した場合、ダイナミックな構造変化を誘発することを知りました。そこで、不安定なMOFの構造変化を水以外の配位性分子でも制御することができれば、よりダイナミックな構造変化を誘起することができると考え、「不安定な結晶構造を有するMOFを出発物質として、(準)安定なMOF結晶をつくる今までない合成方法」について見出しました。今回本研究について発表し、その研究が高く評価され、優秀発表賞を受賞しました。

坂本さんは「大谷 政孝准教授をはじめ小廣 和哉教授伊藤 亮孝講師、同研究室の皆様の日頃のご指導に感謝します。また、コロナ渦であるにも関わらず、今できる最大限の形でシンポジウムの開催を実現してくださった関係者に感謝いたします。リモート形式での発表に不安もありましたが、これまでと変わらない雰囲気で行うことができました。この受賞を励みに今後も研究に精進していきたいと思います」と述べました。

※MOF(Metal Organic Framework)結晶とは、金属イオンと有機配位子が3次元的に配位結合した多孔質材料のことです。

優秀発表賞

坂本 ひかるさん(博士後期課程 基盤工学コース 1年)
オルトフタル酸でつなぐ準安定な金属有機結晶の配位置換反応

佐々木 大也さん(修士課程 マテリアル工学コース 2年)
潰れた多層カーボンナノチューブ表面におけるAu及びPtナノ粒子の分散性

山内 春花さん (修士課程 化学コース 1年)
オリゴウレタンの合成とその分子集合特性の検討

樋野 優人さん(環境理工学群 3年)
ビスチエニルアントラセンによる様々な結晶多形の創出と光化学物性

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