2020.12.26在学生・保護者 / 地域・一般 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究

学生が日本環境共生学会 学会賞「優秀発表賞」を受賞

9月26日、宮内 彩希さん(大学院修士課程 環境数理コース 2年)が、Web開催された「第23 回(2020年度)日本環境共生学会学術大会」の「口頭発表個人会員(院生)および学生会員の部」で優秀発表賞を受賞しました。

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宮内さんの発表したテーマは「森林の多面的機能の評価シミュレーション:広島県における防災施策の観点から」です。
本発表では、近年、集中豪雨により山地災害・水害が多発している広島県内において自然災害による被害の受けやすさを、5次メッシュ単位※で判定する森林の施業シミュレーションを実施し、その社会経済的影響を評価した結果を報告しました。
本研究の最大のポイントは、林業を"グリーンインフラ"の位置づけで捉えた点にあります。グリーンインフラとは、自然の機能や仕組みを活用した社会資本整備・土地利用を行ない、防災面・環境面・地域振興面のいずれの観点から考えても「三方良し」となるようなインフラ整備を進めていくためのコアコンセプトです。日本の林業は、製材用素材の生産に限定した目的では採算が合わない状況であり、公的資金により整備されています。そこで本研究では、本来の目的である製材用素材の生産に加え、間伐などの森林整備により防災機能を強化しつつ、整備過程で産出する林地残材をバイオマス発電へ有効利用する林業の有効性を定量的に評価しました。その結果、森林施業の促進により、森林の多面的機能向上のみならず経済的・環境的恩恵をも与え、地域振興に資する林業が実践できることをシミュレーションにより示しました。

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受賞を受け、宮内さんは「入学時より取り組みたいと希望していた森林・林業に関わる研究ができ、さらにこのような賞をいただき嬉しく思います。また、日頃よりサポートしていただいた古沢 浩教授には深く感謝しております。今後もさらなる研究の発展を目指し引き続き邁進していきます」と語ってくれました。

※メッシュとは、緯線経線で地域をすき間なく網の目に区切った区間単位で、5次メッシュは250m×250mで区切られた区間単位のことです。

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