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- 地域連携カフェ「地域創生カギは『食』と『足』にあり」をテーマに開催しました
2月17日、高知工科大学 地域連携機構が主催する「地域連携カフェ」を動画配信で開催しました。
地域連携機構では、県や地方自治体等の公共政策に関わっている方や、地域活性化に活躍されている学内外の方を話題提供者としてお招きし、参加者と気軽に意見交換ができる場をつくろうと、平成23年より「地域連携カフェ」を開催しています。
通算27回目となる今回は「地域創生カギは『食』と『足』にあり」をテーマに、地域連携機構 社会連携センターから3名が登壇し、活動紹介とパネルディスカッションを行いました。
活動紹介では、須賀 仁嗣特任教授が「集落の持続性とモビリティ」について、中村 新客員教授が「地域商品の開発の可能性」について、松﨑 了三特任教授が「地域特産品と情報発信」について、それぞれの取り組みを紹介しました。
活動紹介において、須賀特任教授は、昨年度、高知県内の34市町村のほかバス・タクシー等地域交通事業者にヒアリングを行い、生活の足である地域交通・公共交通を守るためには、プロドライバーの高齢化に伴う後継者などの課題があることや、利用者が少なく民間の運営では採算がとれないため税金を投入していることにふれ、経営のヒントは欧米の交通事業にあるのではないかと考えていると説明しました。
中村客員教授は、キッチンエヌの代表取締役でもありフランス料理人でもあります。地域の食べ物の発掘や、人を結ぶ時に食が介在するかを調べてきた経験から、地域商品の定義を収穫量・収穫時期・価格設定・加工法・販売形態・期間(着手~販売)の6つにセグメントしたことや、地域産品に立ちはだかる送料・スピード感・危機感・競争意識の4つの壁が、実は特長になる可能性があることについて紹介しました。
松﨑特任教授は、地域の特産品が売れない理由は、認知度が低いからであり、どうやって人に知ってもらえるか、地方こそ情報発信が必要であることを説明したうえで、違うということに価値がありブランドという新たな価値が生まれること、素材を提供するだけではなく自分で付加価値をつけて販売していくことで相乗効果が生まれることや、共感や熱狂的なファンが顧客になると語りました。また、コロナ禍で変化や多様性に順応できる企業が強いと感じたことから、地場産業を育てるためには、柔軟に変化できる人材の育成、変化できるチームづくり、変化に挑戦できる社長を育てることが重要であり、それを支援するのが大学の役割だと語りました。
パネルディスカッションでは、永野 正展技術顧問のコーディネートにより、中山間地域における「地域の抱える課題をどう考えるか」「原動力と多様性をどう考えるか」をテーマに、須賀特任教授、中村客員教授、松﨑特任教授が議論しました。
高知県は、素材を産業に変えていく段階で大きな企業がないので行政の支援が必要であること、地の利の悪さは都会の人ほど価値が高く消費の原動力になり得ること、恵まれた資源をいかす方程式をもっていないのが課題であり、その方程式をつくる時に大学の力が発揮できること、地域産品は文化と継承力によって価値がもたげられるものだから語りつがれなければいけない、その為には人と違っていても良いという価値観を子どもたちに教えること、挑戦できるリーダーを育てることが地域の発展につながるのではないか等、それぞれの分野のプロの立場で議論が交わされました。
聴講者からは「松﨑先生の話から、生産・加工・販売まで一貫しないと利益にはつながらないということがよく分かりました。これまで高知県は素材提供県だったのであまり利益につながってなかったんですね」「品質管理・品質保証までやるとなると具体的にどのようなことをやらなければならないのか」などの感想や質問をいただきました。
早くから地域連携機構という組織単位で地域連携事業に取り組んできた本学は「産学連携による地域のブランド力向上」など、今後も魅力ある地域づくりに向けて大学という立場で連携を進めていきます。
本イベントの動画は地域連携機構YouTubeからご覧いただけます。
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