2021.2. 8地域・一般 / 地域貢献 / 研究 / 研究者・企業

端野准教授が「地球環境と雲降水現象」をテーマにイブニングセミナーで講演しました

1月20日、地域連携機構主催のイブニングセミナーを動画配信で開催しました。 本セミナーは、本学の研究成果による地域貢献事例を皆様に紹介し、地域の未来をともに考え、議論することを目的としています。
今年度4回目は端野 典平准教授(環境理工学群)が「地球環境と雲降水現象」をテーマに講演を行い、テーマに関心を寄せていただいた方々にご参加いただきました。

講演の様子.jpg

端野准教授は、講演の冒頭、地球の大気を構成する物質には気体と液体や個体の粒子があること等、雲が成長する物理過程について説明しました。そのうえで、気候予測においては二酸化炭素等の温室効果ガスに比べ、粒子から成る雲が与える影響はよくわかっていないことや、豪雨予測を向上させるためにはエアロゾル粒子から降水粒子までの成長過程の理解を深め、適切な形で数値予報モデルに取り込む必要があることを解説しました。

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(再現された北極の雲降水現象)

後半は、北極の地表面付近で頻繁に観測される雲を中心に研究していることを紹介しました。北極の地表面気温の上昇速度は、他の地域と比較して約2倍で、夏季の海氷面積は減少の一途をたどっていることが知られています。海氷が海面に置き換わると、海がさらに太陽光を吸収し地表面の反射率を減少させ気候に影響を与えますが、雲や降水の役割や発生の予測等については解明されていない事が多く存在しており、特に、液体と固体の氷粒子が存在する北極特有の環境においては、雲や降水の再現や予想が難しいことから、現在、盛んに研究されていることを説明しました。その状況下で、端野准教授は、雲を数値的に再現してどういった氷ができるのか調査し、大きな雲粒が凍結過程に影響をあたえていることや、凍結する過程とできる氷の結晶の形に関係があることを数値的に示しました。

最後に、雲降水現象の研究を推進することは、水資源・防災、気候変動において重要であると述べ、講演を締めくくりました。

セミナーの動画は地域連携機構のFacebookに掲載しておりますので、ご覧ください。

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