2021.4.26地域・一般 / 地域貢献 / 研究 / 研究者・企業

重山教授が高知県土佐清水市のデマンド交通「おでかけ号」の運行管理システム開発に貢献

重山 陽一郎教授(地域連携機構 地域交通研究室長/システム工学群)、土佐清水市役所、運行事業者(有限会社足摺交通、龍串見残観光ハイヤー有限会社)、および一般社団法人シンギュラリティ・ソサエティが連携して、乗合タクシー(デマンド交通『おでかけ号』)の仕組みをIT化した運行管理システムを開発し、2021年4月から本格運用を開始しました。これにより、過疎化が進む地域交通に対してIT技術による利便性の向上が期待できます。

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地方の過疎地域では路線バス利用者は年々減少しており、定時定路線の運行が大きな負担となっています。 そのため、高知県土佐清水市では利用者が電話予約する乗合タクシー(デマンド交通『おでかけ号』)を平成25年10月から導入しています。これまでは、予約情報や運行記録をFAXで送るなど、手間とコストがかかり、ヒューマンエラー等の不具合も発生していました。

開発した運行管理システムによって、電話予約できる利便性は維持したまま、情報伝達のオンライン化とクラウドでの一元管理により、運転手用タブレット・運行事業者の事務所用パソコン・市役所用パソコン間で、簡便かつ間違いの無い情報共有が即時に可能となりました。
タクシーの位置をGPSで把握できるため利用者と運行事業者双方の利便性が向上し、また、情報伝達のオンライン化によって、運行事業者から市役所への報告等の書類作成業務の省力化も可能となりました。

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重山教授は、これまで高知の公共交通問題に取り組んできた経験を生かして、土佐清水市役所および運行事業者に対してデジタル化の手法を提案し、運行管理システムの開発を主導するとともに、利用に際しての不具合の確認と改良を繰り返すことで、運行事業者だけでなく市役所にとっても間違いが少なく使いやすいシステムを実現しました。
「高齢化や過疎化の進む地域では、自動車免許を返納する方が多くなりますが、その一方で、公共交通の担い手も高齢化が進んでいます。このままでは深刻な事態に陥る可能性があるため、IT化などを活用した解決の道筋を考える必要があります。今回のプロジェクトがその端緒となり、高知県内外の過疎地域の生活の足が確保されることを目指して、今後も研究開発を続けていきたいと思います」と重山教授は今後の抱負を語りました。

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