2021.12.10在学生・保護者 / 地域・一般 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究

日本化学会中国四国支部大会において学生が口頭発表賞及びポスター賞を受賞

11月13日・14日に、オンライン開催された「2021年日本化学会中国四国支部大会 高知大会」(主催:日本化学会中国四国支部、共催:高知工科大学他)で、本学の学生3名が口頭発表賞及びポスター賞を受賞しました。口頭発表では94件中8名が、ポスター発表では93件中9名が受賞者に選出されました。

本大会は、中国四国支部の化学研究・教育の活性化を目的として、学生の教育・若手育成のための研究発表の場、産官学の研究者間の交流の場として開催されています。

大会の様子はこちらからご覧いただけます。

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(左から谷口さん、樋野さん、美里さん)

口頭発表賞


美里 泰蔵さん(大学院修士課程 化学コース 2年) テーマ「微小球状イオン交換媒体内に担持した遷移金属錯体の励起エネルギー移動消光

樋野 優人さん(環境理工学群 4年) テーマ「熱的刺激をトリガーとしたアントラセン結晶のドミノ型単結晶-単結晶相転移

ポスター賞


谷口 彩乃さん(大学院博士後期課程 基盤工学コース 1年) テーマ「球状SnO2多孔体の単工程ソルボサーマル合成

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口頭発表賞を受賞した美里さんは「微小球状イオン交換媒体内に担持した遷移金属錯体の励起エネルギー移動消光」のテーマで発表しました。

人工光合成をはじめとする光エネルギーを別種のエネルギーへと変換するシステムにおいて、光エネルギーを効率的に集め、反応系へと伝達する光捕集アンテナは重要な役割を担います。光捕集アンテナの中の一つひとつの反応は、「励起エネルギー移動」と呼ばれる光を吸収して生成した色素と、その周りに存在する物質が反応する過程により起きるものです。一般的な溶液状態でその光捕集アンテナの中で起こる反応を効率よく起こすには、使用する色素のおよそ1000倍もの基質を必要とします。本研究では、非常に小さなイオン交換樹脂の内部に励起エネルギー移動を起こす2種類の化合物を濃縮することで、それぞれが同程度の量であっても効率的に反応が起こることを見出しました。この研究は、高効率で低コストな光エネルギー変換システムへの応用が期待されます。

美里さんは博士課程へ進学後、微小球状イオン交換媒体を利用する光機能システムの開発をめざして研究を進める予定です。

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