2021.12. 8在学生・保護者 / 地域・一般 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究

電気関係学会四国支部連合大会において学生が優秀発表賞を受賞

9月25日に、オンライン開催された「令和3年度 電気・電子・情報関係学会四国支部連合大会」で、Somjaisuk Chavakornさん(大学院修士課程 電子・光工学コース 2年)がBest English Presentation Awardを、地主 拓未さん(システム工学群 4年)が優秀発表賞をそれぞれ受賞しました。

Somjaisuk Chavakornさん

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Somjaisuk Chavakornさんの発表したテーマは「HLS Design of Bellman equation in Markov Decision Process for Reinforcement Learning(強化学習のためのマルコフ決定過程におけるベルマン方程式のHLS設計)」です。
強化学習とは、ロボット工学、Internet of Things(IoT)、パワーマネジメント、金融取引、通信など、複雑な目的を達成するための目標指向型学習アルゴリズムを指します。しかし、強化学習は反復回数が多いため、時間がかかるのが難点です。
Somjaisuk Chavakornさんの行っている研究では、強化学習のハードウェア実装をHLS設計を用いて行います。強化学習を実現するためにMDP(マルコフ決定過程)アルゴリズムを利用し、並列構造を用いてMDPにおけるベルマン方程式の計算フェーズを高速化しました。
MDPのメインフレームはソフトウェアで実装しつつ、ベルマン方程式の計算フェーズをハードウェアで並列化することを提案しました。計算時間を短縮するために、すべてのデータをハードウェア側に渡すことでループ展開し、並列に計算させます。また、提案方法の有効性を確認するため、PYNQ-Z1 FPGAボードを用いて、MDPモデルをハードウェアとソフトウェアの両方で実装し、ハードウェア化・並列化の有無によるMDPの高速化について比較評価を行いました。
本研究の今後の目標は、強化学習のコアアルゴリズムであるMDPの効率化です。強化学習のメインアルゴリズムが高速で計算できるようになれば、より複雑な強化学習アルゴリズムも高速に計算できるようになると考えます。

受賞を受け、Somjaisuk Chavakornさんは「電気学会四国支部連合大会で発表することは、高知工科大学に入学してからの目標の一つでした。その結果、Best English Presentation Awardを受賞することができ、とても嬉しく思っています。指導教員の密山 幸男教授(システム工学群)、廖 望氏(発表当時本学助教)をはじめ、研究を手伝ってくれた研究室のメンバーに感謝しています。この研究室で、これからも斬新な研究に取り組み、精進していきたいと思います」と語ってくれました。

地主 拓未さん

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地主さんの発表したテーマは「空間位相変調器を用いた高次ラゲールガウスビームの生成効率の測定」です。
地主さんは、超大容量光通信や光計測に応用可能な特殊な分布を持った光ビーム生成に関する研究をしています。本大会では、レーザポインタのように円形の強度分布を持った光を、ラゲールガウス(LG)モードと呼ばれる円環状の強度分布を持った特殊な光ビームに変換をする研究について発表しました。LGモードは光通信では光多重通信に、さらにその強度分布を利用した微粒子の速度計測に応用されると期待されています。特に本研究では、空間変調器と呼ばれるものを用いてレーザ光をLGモードに変換したときの変換効率を測定しました。

地主さんは「この度は、優秀発表賞という名誉ある賞を頂戴し大変光栄に思います。ご教授いただいた小林 弘和准教授岩下 克教授(ともにシステム工学群)をはじめ、光制御・ネットワーク研究室の皆様に深く感謝いたします。今回の生成効率の測定に関する研究結果が、社会貢献の一助になれば幸いです」と語ってくれました。

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