2021.12. 7在学生・保護者 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

林 正太郎講師が自由で挑戦的・融合的な研究を支援する「創発的研究支援事業」に採択されました

環境理工学群の林 正太郎講師が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「2021年度 創発的研究支援事業」に採択されました。

この事業は、特定の課題や短期目標を設定せず、多様性と融合によって破壊的イノベーションにつながるシーズの創出をめざす「創発的研究」を推進するため、既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的・融合的な多様な研究を最大10年間にわたり長期的に支援するものです。
応募総数2,314件に対し259件が採択となり、四国の研究機関では4件、高知県の研究機関では唯一、本学が採択されました。
(公立大学では6校/98校が採択されました)

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林講師が採択された課題は「柔軟性分⼦性結晶の創出とその機能開拓」です。
柔軟性分⼦結晶学のパイオニアとして、強い学術基盤を構築するとともに、結晶⼯学の分野において存在し得なかった⼤胆な発想転換により、素材分野への新しい産業的シーズを提供します。

研究の到達目的の一つは「柔軟性分⼦結晶学によるフレキシブルオプトエレクトロニクスの実現」です。近年の素材産業においては、有限な無機資源に代替される有機素材の開発が重要視されています。したがって、無機素材を代替する分子結晶やポリマーの開発が進められています。分子結晶は"光"や"電気"、"磁性"、や"熱"といった我々の生活に必要な機能現象を制御する媒体として非常に有用です。しかし、繊維やフィルムなどへ利用可能なポリマーに対し、分子結晶は脆くてとても扱いづらく、様々な形に加工できないといった欠点があります。この素材の問題に挑戦し、創出したのが「柔軟性分子結晶」です。

林講師の開発した柔軟性分⼦結晶というポリマーの様に柔らかく(柔軟性)、加工が可能な独⾃の新素材を利⽤し、特に"光"や"電気"を制御するフレキシブルオプトエレクトロニクスデバイスを実現することで、分⼦性結晶の産業利⽤が可能になると考えています。また、繊維の様に振る舞う結晶の開拓によって、「繊維結晶⼯学」という新しい分野を構築できます。

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創発的研究支援事業を通した継続的な研究活動によって、知⾒の積み上げと応⽤の実現のみならず、まだ着⽬できていなかった新しい視点での議論や研究展開を刺激とした更なる破壊的イノベーション創出をめざします。

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採択を受けて林講師は「今回の採択を光栄に思います。分子結晶のもつポテンシャルを引き出し、研究波及効果や産業的利用を狙うことはもちろんのこと、研究を通して化学を楽しみたいと思います。また、本事業で実現する科学者のネットワークを通して、更なる研究の着想を得たいです」と意気込みを語りました。

科学技術振興機構 創発的研究支援事業の詳細はこちらから

林講師の最先端研究紹介はこちらから

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