2022.3.22在学生・保護者 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究

日本化学会中国四国支部 支部長賞を学生2名が受賞

美里 泰蔵さん(大学院修士課程化学コース 2年)と、稲田 葵大さん(環境理工学群 4年)が「令和3年度 日本化学会中国四国支部 支部長賞」を受賞しました。

日本化学会中国四国支部は、化学の授業、実験および研究を通して優れた成績をあげた学生に支部長賞を授与しています。

美里さんは、光機能化学研究室(伊藤 亮孝講師)で、微小空間に色素を濃縮した発光システムの開発について研究してきました。
天然の光合成システムはクロロフィルを高密度に集積することによって太陽から光を効果的に集めて反応を駆動しています。このような「色素を濃縮する」というコンセプトは、太陽電池や人工光合成をはじめとする光エネルギーを別種のエネルギーへと変換・利用するシステムだけでなく、新たな発光システムを創出するうえでも大変重要です。本研究では、非常に小さくしたイオン交換樹脂の内部に色素化合物を濃縮したシステムを構築し、その性質を明らかにしました。この研究は、簡便に高い効率で機能する発光システムなどへの応用が期待されます。

受賞を受けて美里さんは「今回、このような栄誉ある賞をいただき大変光栄に思います。ご指導いただいた伊藤 亮孝講師と光機能研究室の皆様に感謝します。4月からは博士後期課程の学生として研究を継続していきます。本受賞を励みに今後も新たな発光システムに関する研究に取り組んでいきたいと思います」と語りました。

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稲田さんは、同研究室で、レーザー捕捉されたリポソームの観察と捕捉力の検証について研究してきました。
集光されたレーザー光が物質に入射すると焦点方向に放射圧という力がはたらき、ブラウン運動する物質を焦点位置に捕捉することができます。この手法は「光ピンセット」や「レーザー捕捉」と呼ばれ、その先駆者であるAshkin博士が2018年にノーベル物理学賞を受賞するなど、近年注目されている技術であり、物質を非破壊・非接触で固定する方法として物理・化学・生物の分野を問わず利用されています。本研究では、脂質二分子膜で形成されたリポソームを対象として、その形態と捕捉力の関係を明らかにしました。この研究成果は、今後行われる生体試料の捕捉・観察において極めて有用であると考えられます。

受賞を受けて、稲田さんは「このような賞をいただき大変光栄に思います。日頃からお世話になっている伊藤 亮孝講師をはじめ、楽しい授業を提供してくれた先生方に深く感謝いたします。また、支えてくれた友人や家族に心からお礼申し上げます。本受賞を励みに、これからも化学はもちろん社会の発展に貢献していけるよう邁進してまいります」と語りました。

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