2022.3.25在学生・保護者 / 地域・一般 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究

日本建築学会四国支部長賞を学生2名が受賞

市川 明日香さん(修士課程社会システム工学コース2年)と山﨑 安耶香さん(システム工学群4年)が「日本建築学会四国支部長賞」を受賞しました。
本賞は、各大学で建築系を専攻する卒業生・修了生のうち、学業成績最優秀者を表彰するものです。

市川 明日香さん (修士課程 社会システム工学コース2年)

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市川さんは環境建築デザイン研究室(渡辺 菊眞准教授)では、建築の意匠設計について学んできました。

修士設計は「土間と縁のある地域型パッシブハウスの提案」を行いました。近年、空き地が増加している土佐山田町神母ノ木地区を対象に、土間と縁という要素に着目し、地域の空間特質を下地に自然を利用して快適な室内環境を備えた住宅3案を提案しました。

まず、神母ノ木に存在する住宅を4つの型に分類し、それぞれの特質を抽出し、設計の下地としました。そこに、パッシブシステム※を導入することで、現代の生活に合った快適な室内環境を備えました。この時、土間と縁により、神母ノ木の特質とパッシブシステムの双方を両立させることと、建物内外を繋ぎつつ適切な距離を設けることで用途に適した空間を設計しました。

※パッシブシステムとは、太陽光や風を利用して、室内の温度調整をするシステム

受賞を受けて「賞を頂き、ありがとうございます。渡辺先生には、修士設計をはじめ、様々な場面でアドバイスを頂きました。心より感謝申し上げます。卒業後は、大学で学んだことを生かし、そこで過ごす人だけでなく、周辺地域にとっても良い影響を与えられるような建築を提案できるよう精進していきます」と語りました。

山﨑 安耶香さん(システム工学群4年)

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山﨑さんは同研究室に所属し、フィールドから建築をデザインすることや空間構築について学んできました。

卒業設計では「サイロのある箱庭建築 ―建築を支えるもの―」というタイトルで、自身の住まいとして考えてきたサイロ※とともに住む住まいの設計プロセスを、箱庭療法の分析手法を活用して分析することで建築を支えているものが何かを考察しました。さらに、そこからのフィードバックによって設計を最終建築へと昇華させていくことに取り組みました。

自身の箱庭建築を分析することで建築を支えるものとして、①テーマに合致するものが建築形態の中心に据えられていること、②建築の存在する場が必ず必要であり、場所と連動した建築は、風景としての全体性を獲得すること、③内部から外部、周辺環境へと連続的にシークエンスが展開されていくこと、④時間やそこに存在しないものまでも空間化可能であること、⑤建築は具体的な敷地から周辺環境へと領域の入れ子的広がりの中にあることの5点が見えてきました。そして、それらの結果を、再び設計にフィードバックしました。

※サイロとは、酪農の飼料を発酵させるタンク


受賞を受けて「これまでご指導いただいてきた渡辺准教授や研究室の先輩、同輩に大変感謝しております。この大学のこの研究室で建築について学べたことは、今後の建築家としての人生の大きな糧となる時間だったと思っています。卒業後は建築事務所に就職し、実務についても学びながら、常に建築がどうあるべきか考え続け、建築の本質に迫れるような追求を行っていきたいと思っています」と語りました。

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