2022.12. 9在学生・保護者 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究

電気・電子・情報関係学会四国支部連合大会において学生が優秀発表賞を受賞

9月24日にハイブリッド開催された「令和4年度 電気・電子・情報関係学会四国支部連合大会」で、小林 奏斗さん(システム工学群 4年・京都府立久御山高等学校出身)と林 匠人さん(システム工学群 4年・岐阜県立武義高等学校出身)の2名が優秀発表賞を受賞しました。

小林 奏斗さん

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小林さんの発表したテーマは「Rocket-Chip を用いた RISC-V カスタム命令追加に関する検討」です。

研究内容は以下の通りです。
オープンな命令セットアーキテクチャであるRISC-Vの普及にともない、ターゲットアプリケーションドメインを特化した高効率プロセッサの研究開発が注目されています。そこで本研究では、カリフォルニア大学バークレー校とSiFive社が共同開発したRISC-VベースSoCであるRocket-chipを使用し、カスタム命令を追加する複数の方法について比較評価を行いました。具体的には、Rocket-chipにカスタム命令を追加する方法として2種類検討し、シミュレータを用いて動作確認を行うとともに、命令数と実行サイクル数について比較評価を行いました。実験結果から、追加したカスタム命令が正しく機能していることを確認し、大幅な実行効率の向上を確認することができました。
今後は、機械学習を用いたアプリケーションなどを想定して追加命令の検討とアクセラレータの設計を行い、RISC-Vを用いた高効率プロセッサの実現に向けて研究を進めていく予定です。

受賞を受け、小林さんは「優秀発表賞を受賞することができ、とても嬉しく思っています。指導教員の密山 幸男教授(システム工学群)をはじめ、研究室の皆様に感謝しています。今回の研究では、カスタム命令の追加に苦労しましたが、良い結果を得ることができました。今後も引き続き研究を続けていきたいです」と語ってくれました。

林 匠人さん

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林さんの発表したテーマは「物体の固有反射スペクトルを用いた多チャンネル光ID送信システムの検討」です。

研究内容は以下の通りです。
近年、従来よりも高速・大容量な通信が可能である可視光通信の発展が注目されています。その一方で、数kbps程度の低速な可視光信号を物体に照射して情報を付加し、身近にあるスマホのカメラなどで情報を取得する光ID送信システムがあります。光ID送信システムはID情報を付加するために照明の強度を高速で変調して物体に照射し、受信側がスマートフォン(スマホ)やカメラで撮影することによって物体固有の情報を取得できるシステムです。このシステムの利用によって美術館などの展示品の外観を損なうことなく、館内の光源一つで展示品の詳細や説明等の情報をスマホやカメラから取得することができます。
本発表では、従来の光ID送信システムにおいて情報付加する物体の数と同じだけ光源が必要であるという欠点を改良した単一光源で複数の物体に対して情報付加を可能とするシステムの構築を目的とした実験結果を報告しました。本研究では、識別する物体として3つのカラーフィルタを用いました。目標とする光ID送信システムの構築にはそれぞれのフィルタに異なる情報が付加されるように光源のスペクトルを設計する必要があるため、多数のマイクロミラーを有するDMD(Digital Micromirror Device)を利用して光源のスペクトルを高速で変調することで実現しました。実験として、3種の異なる64ビットの疑似ランダム信号を3つのフィルタに付与してそれぞれのフィルタから疑似ランダム信号の復調を図ったところ、3つのフィルタ全てでビットエラーなしという結果が得られました。これらのことから単一光源で3つのフィルタに対して異なる情報を送信することができることを確認できました。

受賞を受け、林さんは「この度は優秀発表賞を頂戴し大変光栄に思います。小林 弘和准教授(システム工学群)をはじめ、研究室の先輩方には、たくさんの助言をいただき、深く感謝いたします。研究室の定期的な報告会で発表をしていたため、初めての学会でも緊張することなく発表できました。今回の研究は将来性のある分野で、その研究を深める手助けができて良かったです」と語ってくれました。

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