2023.2. 9在学生・保護者 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究

高知化学会会長賞を学生2名が受賞

濱田 拓実さん(大学院修士課程 化学コース 2年・高知県立中村高等学校出身)と、福井 陽志さん(環境理工学群 4年・高知県立高知追手前高等学校出身)が「第21回高知化学会会長賞」を受賞しました。

高知化学会は、化学講演会、出張講義、高校生・中学生のための化学実験講座など多彩な事業を展開し、化学の普及と活性化、化学を目指す若い世代の育成、地域産業の発展などに寄与する目的で活動する組織です。

本賞は、高知県内の高校・高専・大学・大学院において学ぶ学生や生徒を対象に、化学分野において優秀な成績を収めた人に授与されます。

濱田 拓実さん

★1E7A5852.jpg ★1E7A5838.jpg

濱田さんは、有機合成化学研究室(指導教員:西脇 永敏教授)で、擬似分子内反応を利用した1,4-ジアゼパンの合成について研究してきました。

7-9つの原子により構成される中員環骨格は医農薬品や生理活性物質の重要な構造として知られています。しかしながら、一般的に中員環骨格の構築にはいくつかの制限がありました。例えば、反応点が離れているために分子間での副反応が進行してしまい、目的物の収率が低下するという問題です。そこで反応効率の向上を目的として、研究室で開発・展開している「擬似分子内反応」に着目しました。中員環化合物の中でも1,4-ジアゼパンに焦点を当て、擬似分子内反応を用いた反応系を設計することで1,4-ジアゼパン誘導体を高収率で得ることに成功しました。さらに、その反応について各種検討を行うことで、詳細な反応機構についても明らかにしました。

受賞を受け、濱田さんは「今回、このような賞をいただくことができ大変うれしく思います。今後も引き続き研究に真剣に取り組んでいきたいと思います」と語りました。

福井 陽志さん

★1E7A5849.jpg ★1E7A5841.jpg

福井さんは、有機合成化学研究室(指導教員:西脇 永敏教授)で、Pd(II)三核錯体について研究してきました。

金属は配位子とくっつき1つのユニット(錯体)を作ります。本研究では配位子を設計し、1:1の単核錯体と3:3の三核錯体を作り分けることに成功しました。特に後者の錯体は、三角柱の形をしており、中心に約4.4Åの空孔を有しています。この研究が進展すれば、特定の分子に対して応答する分子センサーへの応用が期待されます。

受賞を受け、福井さんは「このような賞をいただき大変光栄です。日頃からご指導いただいている西脇 永敏教授と岩井 健人助教、そしてご協力頂いた研究室の皆様に感謝を申し上げます。今回の受賞を励みに、大学院ではさらに複雑な分子の合成や新規な反応の開発に取り組んでいきたいと思います」と語りました。

RELATED POST

関連記事