2023.2.16在学生・保護者 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究

陸井 健太郎さんが日本建築学会大会 (北海道)学術講演会の「鉄筋コンクリート構造部門」で若手優秀発表賞を受賞

9月5日~8日の4日間、北海道科学大学およびオンラインで開催された「2022年度日本建築学会大会(北海道)学術講演会」で、陸井 健太郎さん(大学院修士課程社会システム工学コース 1年・兵庫県立龍野高等学校出身)が、鉄筋コンクリート構造部門で若手優秀発表賞を受賞しました。

同賞は、日本建築学会鉄筋コンクリート構造運営委員会が、日本建築学会大会の鉄筋コンクリート構造に関するセッションにおける30歳未満の学生・若手技術者などの優れた発表を選考し、鉄筋コンクリート構造分野の活性化を促すとともに、若手による学会活動を奨励することを目的としています。

2022年度は、174名の中から17名の優秀発表者が選考されました。
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陸井さんは、鋼・コンクリート構造学研究室(指導教員:鈴木 卓准教授)に所属し、鉄筋コンクリート構造の基礎部材について研究しています。

日本建築学会大会では、「柱と杭が水平2方向に偏心する杭頭接合部の構造性能に関する研究」について発表しました。
鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説(RC規準)には、柱と杭が2方向に偏心する基礎の構造設計法が示されています。しかし、この手法は大量の鉄筋が必要となり、多くの設計者から問題視されていました。
この問題に対して、陸井さんは、鉄筋量をRC規準の想定よりも少なくした模型試験体の破壊実験を行いました。
本研究では、実構造物の1/5スケールの試験体を2体作成しました。杭頭接合部の損傷・変形などの構造性能を調べるために、その圧縮耐力が最も低くなるように設計しました。また、杭頭接合部底面の鉄筋量をRC規準で想定されているものよりも極めて少なくしました。その結果、荷重の増加に伴い杭頭接合部上端筋の応力の増加が認められました。その一方で、下端筋に生じた応力はRC規準で想定されているものよりも極めて低いことを明らかにしました。
本研究が進展することにより、床面積の広い建築物の設計施工につながることが期待されます。

受賞を受け、陸井さんは「このような栄えある賞をいただくことができ、大変嬉しく思います。実験計画や方法についてご指導くださった鈴木先生や実験に協力してくれた研究室のメンバーに心より感謝申し上げます。保育園の時に自分の家が建てられていく様子を見たことがきっかけで建築を好きになり、中学生の時に両親から阪神・淡路大震災で被災した話を聞いて、建築の中でも人の命を守ることができる構造設計の仕事に携わりたいと思うようになりました。今後も、RC規準の改定を目標に新たな実験の結果に対する検討や考察、基礎における応力伝達機構を把握するための構造解析に全力を尽くしていきたいです」と語りました。

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