2023.2.10地域・一般 / 地域貢献 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

福本 昌弘教授がシステム開発に携わった「NABRAS(なぶらす)」が運用開始、漁業情報を一元的に発信

情報学群の福本 昌弘教授が開発に携わった高知県の新システム「NABRAS(なぶらす)」が、1月30日から運用を開始しました。
NABRASは、水産に関する有益な情報を一元的に発信するシステムです。漁業者の効率的な操業支援や所得の向上を目的に高知県が進めている水産データのデジタル化「高知マリンイノベーション」の一環として開発されました。システム名であるNABRASには、魚の群れが波立つ「なぶら」のように、多くの情報が集まり活用されるようにとの願いが込められています。

NABRASでは、土佐湾の黒潮牧場ブイから発信される、風速や流速、水温、人工衛星の解析データなどの漁業情報をスマートフォンなどでリアルタイムに確認することができます。また、養殖などに被害が出る急潮や赤潮が予想される場合は、重要連絡として掲載し「LINE」によるプッシュ通知を行うことができます。  

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福本教授は、2019年の高知マリンイノベーション運営協議会立ち上げ時から協議会メンバーとして参加し、データのオープン化プロジェクトチームでデータベースの構築と情報発信に携わりました。
データベースの構築については、まず、水産試験場などが保有する数千という大量の海洋データを整理することから始めました。続いて、水産会社・漁業協働組合などの漁業関係者に聞き取り調査を行い、価値を最大化しつつ漁業を成り立たせるために必要なデータベースの仕様を固めていきました。聞き取り調査の際には「今あるデータでできそうなことを提案するのではなく、NABRASで実現したいこと」を挙げてもらいました。その中で、経費を減らすためには漁場予測や市場予測が必要、若者の定着にはICT化を推進し、漁業のノウハウを可視化して業務を効率化することが必要など、情報発信のために必要なデータをグループ化、活用してもらえるシステム作りのアドバイスを行いました。
今後NABRASは、メジカの漁場予測、土佐黒潮牧場周辺の魚群情報の発信などの改良を続けていく予定です。

福本教授は「NABRASがやっと形になって動き始めました、これからが本番だなと意気込んでいます。漁業関係者には漁業全体を盛り上げていこうという風土があり、データ収集にも協力的ですので楽しみながらシステム開発に携わらせてもらっています。必要な機能を追加して漁業の効率化に貢献していきたいので、沢山使って意見をもらいたいです。そして最終的には、ドラえもんの秘密道具のように困っている方々に喜んで使ってもらえるシステムに育てていきたいです」と語りました。

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