2023.3.15在学生・保護者 / 地域・一般 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究

松村 俊宏さんが第19回薄膜材料デバイス研究会でスチューデントアワードを受賞

11月17日、18日に、龍谷大学で開催された「第19回薄膜材料デバイス研究会」において、松村 俊宏さん(大学院修士課程マテリアル工学コース 2年・高知県立高知工業高等学校出身/指導教員:先端材料・素子科学研究室 古田 守教授)が研究発表を行い、スチューデントアワードを受賞しました。
本賞は、一般講演数の10%を上限に、学生講演の中から特に優れた講演発表に対してプログラム委員および参加者の投票により贈られるもので、今年は50件の中から4件のスチューデントアワードが選出されました。

本研究会では「新半導体材料・デバイス: SDGs実現へ向けて」をテーマに、薄膜トランジスタ、光デバイス、太陽電池、メモリ、熱電デバイス等の薄膜材料デバイスの基礎や応用、インフォマティクスを用いた製造技術やプロセス・デバイスの新展開などの多岐に渡る内容の議論が行われました。

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松村さんが発表したテーマは「水素添加多結晶In-Ga-O(IGO:H) 薄膜の金属-半導体遷移と薄膜トランジスタ応用」です。

ディスプレイの高精細化に伴い高い電界効果移動度を持つTFT(薄膜トランジスタ)の開発が必要となってきています。先端材料・素子科学研究室のこれまでの研究で、In-Ga-Zn-O (IGZO) TFTにて電界効果移動度は28.8 cm2/Vs得られることを報告していました。松村さんは、更なる移動度向上に向けIn2O3比を増加させた材料に着目しました。しかしながら、In2O3比を増加させるとTFT動作が得られなくなる課題がありました。そこで今回、Ar+O2+H2を添加し成膜することにより、TFT動作が得られました。その結果、電界効果移動度は41.5 cm2/VsIGZO TFTよりも高い電界効果移動度となり、高移動度TFTの可能性が示されました。

受賞を受け、松村さんは「学部生の頃から取り組んできた研究が実を結んだことに感激しています。高校生のころから半導体関係に興味があり、その方面の研究がしたいと考えていました。初めての研究では分からないことだらけでしたが、実験の回数を重ねるにつれ薄膜材料についての理解度も上がり楽しく研究できました。4月からは開発技術の仕事に就きます。今後は今まで学んできたことを社会でも生かせるよう頑張っていきたいです」と語りました。

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