2023.7.18在学生・保護者 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

西野 天駿さんが日本建築学会 四国支部研究発表会若手優秀発表賞を受賞

5月13日、高知工科大学永国寺キャンパスで開催された「2023年度日本建築学会 四国支部研究発表会」で、西野 天駿さん(大学院修士課程社会システム工学コース 2年・佐賀県立小城高等学校出身/指導教員:鋼・コンクリート構造学研究室 鈴木 卓准教授)が、若手優秀発表賞を受賞しました。

同賞は、論文内容・発表技術の向上に寄与する優れた発表を行った若手研究者などを表彰し、四国支部の活性化を図ることを目的として昨年度設けられました。博士号を有さない40歳未満の研究者・技術者等うち、10%程度が授与対象になっており、この度43名の中から4名が同賞初の受賞者として表彰されました。
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西野さんは、「ベースプレート下面にリブ補強を施した非埋込み型CES柱脚の構造性能に関する研究」について発表しました。

内蔵鉄骨および繊維補強コンクリートから構成されるCES(Concrete Encased Steel)構造は、従来の鉄骨鉄筋コンクリート構造と同等以上の優れた構造性能を有しており、鉄筋の省略による施工の簡略化を実現した新たな構造形式として期待されています。

これまで、西野さんは、非埋込み型CES柱脚の構造性能の把握を目的として、CES柱断面外にアンカーボルトを配置した静的載荷実験を行い、破壊性状および復元力特性を確認してきましたが、実現に向けてはベースプレートの形状と厚さによるベースプレートの調達、施工性の困難さが課題でした。
そこで本研究では、CES柱断面内側にアンカーボルトを配置しつつベースプレートの下面にリブ補強を施すことでベースプレート縮小を図る柱脚形式を提案し、静的載荷実験により非埋め込み型CES柱脚の構造性能の把握を行いました。その結果、リブ補強によるベースプレート降伏の抑制等が確認されました。一方で、非埋込み型CES柱脚の最大耐力は計算値と実験値が対応しておらず、柱脚曲げ耐力の評価法を再検討する必要性があることが分かりました。

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受賞を受け、西野さんは「若手優秀発表賞の初受賞者として選出され光栄です。親身になってご指導くださった鈴木先生、実験を補助してくれた研究室の仲間に感謝申し上げます。大学2年の時に鈴木先生の『構造の力学』の授業を受けて楽しさを感じ、鋼・コンクリート構造学研究室で研究に没頭してきました。今回、研究成果を論文としてまとめ、自分の研究を世に出すことができ嬉しく思います。これからは大学院在学中の集大成として、アンカーボルトの配置・リブの方向を変えた実験に取り組み、柱脚曲げ耐力評価法の検討や柱脚形式の設計モデルの提案をしていきたいです」と語りました。

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