2023.9. 7在学生・保護者 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

陸井 健太郎さんがコンクリート工学会の年次論文奨励賞を受賞

7月5~7日に福岡国際会議場で開催された「コンクリート工学年次大会2023」(主催 日本コンクリート工学会)において、陸井 健太郎さん(大学院修士課程 社会システム工学コース 2年・兵庫県立龍野高等学校出身)が、自身の論文にかかる講演を行い、年次論文奨励賞を受賞しました。

同賞は、「コンクリート工学年次論文集」掲載の論文・報告の講演者の中で、特に優秀な講演を行った者を対象に授与されるものです。

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鋼・コンクリート構造学研究室(指導教員:鈴木 卓教授)に所属する陸井さんは、鉄筋コンクリート構造の基礎部分について研究をしています。同学会では、「柱と杭の水平二方向偏心を有する杭頭接合部の構造性能」について発表を行いました。

柱と杭が水平二方向に偏心した杭頭接合部について、鉄筋コンクリ―ト構造計算規準・同解説(以下、「RC規準」といいます。)が示す構造設計は、底面に生じる引張力に耐えるために大量の鉄筋を要するものとなっており、経済的ではないことが指摘されています。
そこで、陸井さんは、その構造性能を把握することを目的とした静的載荷実験を行いました。当該実験では、接合部の配筋量をRC規準に比べて大幅に減らし、標準的な梁と薄型の梁をそれぞれ持つ2つの試験体を用いました。
その結果、両試験体ともに、接合部が先行して破壊されるように設計していたにもかかわらず、接合部ではなく柱の圧縮破壊を確認。また、接合部下端筋の応力の値はRC規準が示すものと比べて、極めて小さいことが認められました。このことにより、RC規準で想定されているよりもずっと杭頭接合部の強度は高く、少量の鉄筋で十分耐性を保つことができる可能性が高まりました。

この研究が進展すると、床面積の広い建築物を、より安全かつ経済的に設計施工できることが期待されます。

★1E7A2778.jpg 接合部-1.png

受賞を受け、陸井さんは「このような栄えある賞をいただくことができ、大変うれしく思います。実験や研究について、ご指導くださった鈴木先生や、実験準備や実験を行う際に協力してくれた研究室のメンバーに心より感謝申し上げます。まだまだ研究は続くので、今後も全力を尽くしていきたいです」と語りました。

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