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- 樋野 優人さんが第43回固体・表面光化学討論会で学生優秀講演賞を受賞
11月21・22日に徳島大学で行われた「第43回固体・表面光化学討論会」において、樋野 優人さん(博士後期課程 基盤工学コース 1年・高知県立中村高等学校出身/指導教員:機能性高分子化学研究室 林 正太郎教授)が学生優秀講演賞を受賞しました。
同賞は、全35件の口頭発表のうち、学生で優れた発表を行った6件に贈られました。
樋野さんは「5種類の発光性結晶多形を示すアントラセン誘導体の開発」について発表しました。
「たった1つの分子から5種類の結晶構造を誘起させ、その固体物性を変化させることができた!」という研究です。今回の研究で用いた分子は、古くから発光性材料として研究されている基礎分子であるアントラセンの誘導体です。計算化学的に弾き出された結果として開発したアントラセン誘導体は、驚くべきことに結晶化条件によって5種類の異なる結晶構造を形成(多形化)しました。これは結晶工学史上、驚異的な結論です。その結果として、発光特性や結晶界面形態を制御することができました。
樋野さんは「今回は、非常にシンプルな分子から5種類の発光性結晶多形を得ることができたことについて発表しました。固体と表面がかかわる光化学(光触媒反応、光電気化学、人工光合成、固体発光、フォトクロミズム、フォトメカニカル材料や太陽電池など)に携わっている研究者の方々と議論を深めることができ、非常に楽しかったです。5種類目の結晶多形が形成する条件を見つけ出すのは、自分で言うのもなんですが、並々ならぬ苦労がありましたが、学生優秀講演賞という形で評価していただき、それも嬉しかったです。今後も、化学の基礎を大切にしながらも、多くの人々を魅了する研究をアウトプットできるよう頑張りたいです」と話しました。
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