2025.3.28在学生・保護者 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

南極地域での観測を終え濵島 岳さんが帰国

第66次南極地域観測隊に同行者(*1)として参加した濵島 岳さん(修士課程 電子・光工学コース 2年/指導教員:山本 真行教授)は、現地での観測を無事に終え、2月25日に帰国しました。

濵島さんは、立命館大学の佐伯 和人教授に同行し、JAXA宇宙科学研究所(ISAS)の田中 智教授が代表を務める「南極観測用ペネトレータの開発と白瀬氷河および周辺域での集中観測(萌芽研究観測)」のメンバーとして参加。

南極では、自身が開発したインフラサウンド(*2)を高感度でとらえる省電力の記録装置を用いて、氷河の流れと崩落などの動きの観測、地震計などを搭載した「ペネトレータ」(*3)を上空から投下しての氷河のネットワーク観測の補助などを行いました。

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(昭和基地周辺の海氷上でのインフラサウンド観測)

南極での活動を振り返り、濵島さんは、「今回の南極観測隊の参加は自分にとってかけがえのない経験でした。現地での作業は大変で、イレギュラーなことも起きましたが、大学生活で培ってきた工学の知識を活かし、現地の限られた物資のなかで、一緒に同プロジェクトに参加した立命館大学の佐伯教授、谷口さんとともに、工夫しながら乗り越えていきました。南極での生活は、今まで経験したことのないことばかりでした。ペンギンの群れや氷河、オーロラといった南極ならではの景色を見ることができましたし、他の観測隊チームの業務支援をさせていただくなかで、自分の専門分野以外の研究や、仕事の大変さと面白さを知ることができました。私は今年から社会人として働くことになりますが、今回の観測隊参加で感じた好奇心と周囲の人に対する感謝の気持ちを大切にしていきたいです」と語りました。

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*1)技術者、大学院学生、報道関係者、教育関係者など、観測事業の発展や国民の理解増進等のために観測隊に同行する者。
*2)人間の耳には聞こえない周波数20Hz以下の超低周波音で、周波数が低いため長距離伝搬できる特徴がある。火山噴火、地震、津波、落雷、土砂崩れ、大規模爆発などの災害をもたらすような事象によって発生することが知られており、これらをリモートセンシングすることで、災害の早期探知や規模解析を行うなど、減災に活用できると考えられる。
*3)先端の尖った貫入装置(直径約10センチ、全長約60センチ、重さ約10キロ)。

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