2026.3.17在学生・保護者 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

学生2名が日本機械学会中国四国支部講演会で優秀発表賞を受賞

学生2名が、3月5日に広島工業大学で開催された「日本機械学会 中国四国学生会 第56回学生員卒業研究発表講演会」において、「優秀発表賞」を受賞しました。

同講演会での発表総数129件のうち15件が、同賞を受賞しました。

柳田 瑞季さん(システム工学群 4年/高知県立高知小津高等学校出身)
指導教員:極限ナノプロセス研究室 稲見 栄一教授
発表テーマ「二次元材料の光誘起相転移における微視的機械・電子特性変化」

特定の物質に可視光を当てると、その表面の構造や性質が変化する「光誘起相転移」という現象があります。これは、熱を加える従来の方法では実現できない全く新しい材料を生み出す手法として、近年大きな注目を集めています。

例えば、鉛筆の芯などで知られる材料「グラファイト(黒鉛)」に、ごく短い時間に強力な光を放つ「フェムト秒レーザー」を当てると、その一部がダイヤモンドに似た構造を持つ「ダイヤファイト」という物質に変化することが知られています。ダイヤファイトの機械特性についてはこれまでに研究が行われていますが、それらの特性を生み出す要因となる電子特性との関連は、十分に明らかにされていませんでした。

そこで柳田さんは、「原子間力顕微鏡」を用いて、機械特性と電子特性を同一のダイヤファイト領域で評価しました。その結果、ダイヤファイト領域は相転移前のグラファイトに比べて、凝着力(接触する物質同士がくっつく力)が低下すること、また、仕事関数(物質から電子を取り出すために必要な最小のエネルギー)が増大していることを明らかにしました。さらに、この凝着力の低下は、大気中で活性なダイヤファイト表面が酸化して形成される酸化膜(不導体膜)によって説明でき、機械特性と電子特性の関連を示す結果となりました。

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受賞を受け、柳田さんは「このような賞を受賞することができたのは、ご指導くださった稲見先生をはじめ、これまで支えてくれた研究室の方々のおかげであり、心から感謝しています。この春からは修士課程へ進学します。引き続き研究を行い、グラファイトの光誘起構造について解明していければと思っています」と話しました。

宮本 拓実さん(システム工学群 4年/愛知県立高蔵寺高等学校出身)
指導教員:振動工学研究室 加藤 由幹講師
発表テーマ「イベントカメラを用いた高周波振動モードの計測によるボルト締結部の異常検知」

機械や構造物の健全性を維持し故障を防ぐため、近年、カメラで構造物を撮影し、その「振動」の様子から異常を見つけ出す手法が注目されています。しかし、高い周波数の細かい振動を捉えるには、非常に高価でデータ量も膨大、装置も大きい「ハイスピードカメラ」が必要になるという課題がありました。

そこで宮本さんは、明るさが変化した部分(イベント)だけを瞬時に記録する「イベントカメラ」に着目。イベントカメラはデータ量が少なく、高速な動きを捉えるのが得意ですが、微小な振幅を定量的に計測することは難しく、未知である周波数の波形の観測もできないとされていました。

宮本さんは、このカメラを使って振動を精密に測るための四角形追跡法を開発しました。配管の模型を使った実験では、振動振幅が画像上の5分の1ピクセルという、きわめて微小な振動であっても、高い精度で計測することに成功しました。さらに、配管等を固定するボルトが緩んだ状態と、しっかりと締まっている状態とを比較したところ、振動の伝わり方(振動モード)に違いが現れることを確認。イベントカメラ計測によって締結部の異常検知ができる可能性を示しました。

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受賞を受け、宮本さんは「通常のフレームベースカメラとは異なるイベントカメラという特殊なカメラを用いた高周波振動モードの計測により、ボルト締結部の異常検知手法について検討しました。イベントデータから変位を定量的に計測するための校正やデータ補完の手法に試行錯誤しましたが、その成果が評価され大変嬉しく思います。ご指導いただいた加藤先生に感謝するとともに、今後も研究を発展させていきたいです」と話しました。

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