分子空間工学研究室
研究室概要
目的
二酸化炭素(CO2)の回収・変換に係る基盤技術の開発は「カーボンニュートラル(炭素循環社会)」の実現に向けた重要な課題です。本重点研究室では、分子レベルで精密に構造が制御された「分子空間」と、それを活用する「空間工学」をキーワードに、カーボンニュートラルに資する材料の基礎・応用研究を行います。具体的には、望みの機能性を有する「分子空間」を合目的に設計・合成し、その機能発現原理の解明を目指します。
また、多孔性材料内部の空間でのガス分子・熱の移動を精密に解析することにより、ガス吸着・分離現象を分子レベルで解析し・理解する「空間工学」を確立します。
研究室構成員
研究方針と今後の展望
本重点研究室では、「CO2吸着能を有する多孔性結晶の合成技術と機能評価手法」に関する研究シーズに基づき、社会実装に向けた基礎・応用両面からの研究開発を進めます。
主に以下の3つを重点テーマと位置づけて取り組みます。
1.我々独自のガス吸着機能解析に基づく新規多孔性結晶の創製
2.社会実装に向けた量産化技術の開発
3.ガス吸着機能評価手法の汎用化・標準化
これらの活動を通じて、既存のガス吸着分離材料の性能を超える新たな多孔性結晶材料の創出を目指すとともに、カーボンニュートラルに資する基盤材料として量産化技術の開発に挑戦します。さらに、学内外の研究協力者との連携により、量産化技術や用途開発に向けたスタートアップの設立も検討します。
これら一連の取り組みにより、独自に推進してきた材料合成法と機能解析に基づいた「分子空間工学」の学術的な基礎研究を一層深化させ、同時に開発した材料の社会実装を目指します。