2018.3.14イベント / 在学生・保護者 / 地域・一般 / 地域貢献 / 学群・大学院

第5回サイエンスカフェin高知を開催しました

3月13日、本学と高知みらい科学館との共催で「第5回サイエンスカフェ in高知」を永国寺キャンパスで開催し、県内の高校生ら約40人が参加しました。

今回のテーマは「『アリたちの驚異の王国』~農業・牧畜から戦争まで行うアリの習性、集団行動~」。

★8B0A5405-.jpg講師を務めた環境理工学群の全 卓樹 教授は、現代社会の仕組みや不可解ともいえる様々な矛盾を、アリの集団行動等の習性に照らし、分かり易く面白く解き明かしました。
アリは1億5千万年の進化の歴史を持ち、人間と同じく生物界の3割を占め、昆虫の食物連鎖の頂点に立ち、高度な職能に分かれた分業制により農業、狩猟、牧畜をし、戦争により国を作る、高度に組織化された社会の中で生活していると説明しました。
その上で、葉を巣に運び、食料のキノコを育て農業をするハキリアリ、同種と戦争し、女王とタマゴを略奪し組織を巨大化させていくヒアリを、動画により解説しました。
また、アリが奴隷反乱により自由を求め、怪我をしたアリを巣で治療したり、死んだアリを巣に安置する等の行動から、アリに感情があるかなど解明されてない謎についても説明しました。
最後に、アリは個々では単純な事しか行わないが、集団では複雑で高度な社会を形成しており、人間社会の構造と同じか、若しくは超えている部分もあります。そのメカニズムを研究し、数学的な方程式等に表せれば、例えば単純な事をするロボットを沢山集め、高度なことが出来るAIロボットの開発も可能かもしれない等、社会への応用の可能性についても語りました。

★8B0A5439.jpg参加者は身近なアリの驚異の習性に驚きながら真剣に聞き入り、講演後の質疑応答では「アリの食べ物によって、進化する形態が違うのではないか」、「分業制で決まっているのであれば、特定のアリが多くなることはないのか」、「生物は何故進化し続けるのか」など、沢山の質問があり、大いに議論が盛り上がりました。

参加した高知県立山田高等学校2年の松下 海里くんは「全教授は自分の専門外でも、興味のあることを深く調べられていることが凄い。科学は興味を持つことが大事と思いました。自分もいろいろなことに興味を持ち、追究していきたいと思います」。また、土佐塾高等学校2年の森脇 えまさんは「動物の世界でのカースト制がここまで高いレベルで成り立っている事を知り驚きました」と感想を話してくれました。

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