2018.9.28在学生・保護者 / 地域・一般 / 地域貢献 / 研究 / 研究者・企業

電子材料・デバイス分野国内最大の国際会議(SSDM)で研究発表を行いました

9月9日~13日、東京大学 本郷キャンパス(東京都文京区)において、電子材料・デバイス分野国内最大の国際会議International Conference on Solid State Devices and Materials (SSDM)が開催され、1000名を超える国内外の研究者・企業関係者が参加し、本学からも教員および学生が研究発表を行いました。

本会議は今年で50周年を迎えることから、電子材料・デバイス分野の大きな流れを作ってきた大家や、新分野で業績を築く研究者を迎えての記念講演も行われ、本学初代学長 末松 安晴 名誉教授が登壇されました。
末松初代学長は、現在のインターネット社会を支える長距離光ファイバー通信技術を確立された日本の光通信研究の第一人者です。

記念講演では"Progress of Photonic Devices as seen in SSDM Awards"と題して、紫外/青色発光素子、固体素子イメージセンサとディスプレイ、光通信用半導体レーザ、多目的半導体レーザ、量子ニューラルネットワークコンピュータなどの光デバイスが、いつ発明され、どのように展開し、どのようなターニングポイントが存在したかなど、人類史における光デバイスの活躍について報告されました。

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(今年6月、材料革新サスティナブルテクノロジー研究室(システム工学群 川原村 敏幸准教授)を訪問された末松初代学長)

研究発表部門では、材料革新サスティナブルテクノロジー研究室(システム工学群 川原村 敏幸准教授)をはじめとする本学の学生・教員が研究発表を行いました。

佐藤 翔太さん(博士後期課程 基盤工学コース2年)は、「Fabrication of Molybdenum disulfide (MoS2) with environmental-friendly by atmospheric-pressure solution-based mist CVD」(環境負荷の小さな大気圧溶液系ミストCVDによる二硫化モリブデンの作製)と題し、環境負荷の小さな機能膜形成手法「ミストCVD」で、次世代電子素子材料として注目されている二次元膜の一種「二硫化モリブデン」の作製に成功した際の条件や、高品質化・大面積化が可能となる等のサンプル特性について発表を行いました。

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(佐藤さんの発表風景と、作製に成功した「二硫化モリブデン」の顕微鏡写真)

佐藤さんは「世界中から研究者・企業関係者が集まる本会議に参加できたことは、自らの研究の方向性を見直す良い機会となりました。現在は川原村先生の「ミストCVD」手法を用いた材料技術の研究を行っていますが、本研究を昇華させ、さらに注目を集められるように発展させたいと考えており、大変刺激を受けることができました」と本会議を振り返ってくれました。

 

電子材料・デバイス分野の研究開発に新しい選択肢を提供するなど、非常に重要な研究内容が多く発表された本会議は、参加した学生にとって大変貴重な経験の場となりました。

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