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総合研究所 HEC研究センターで国際ワークショップを開催

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1月12日、高知工科大学 総合研究所の研究センター Center for Human-Engaged Computing(CHEC)の主催により、「ヒューマン・エンゲージド・コンピューティング」をテーマとした国際ワークショップ (IWHEC2019)を香美キャンパスで開催しました。

 ヒューマン・エンゲージド・コンピューティングとは、任教授が提唱するヒトと技術(Computer、 AI、ICT技術)の未来の理想関係像についての新しいコンセプトで、IEEE Computer Societyのフラッグシップ出版物である Computer 誌に発表したヒトの本来の能力と技術力の相乗作用(シナジー)を利用して、人間の可能性を最大限に発揮し、現実世界の複雑な問題を解決しようとする考え方です。
Xiangshi Ren: "Rethinking the Relationship between Humans and Computers", Computer, vol.49, no.8, pp.104-108 (Aug. 2016)参照


本ワークショップは、人間とコンピュータの未来に適切な方向性を示すことを目的とし、日本のみならず世界の様々な国からHCI分野の研究者を講演者として招き、HCI関連研究の様々な視点から総体的にアプローチするものです。ワークショップのテーマについての意見・アイデア交換の世界的プラットフォームになることを目指し、2017年の11月に行われたIWHEC 2017に続き2回目の開催となりました。

 ※HCI(human-computer Interaction ヒューマン・コンピュータ・インタラクション):ヒューマンインタフェースとは人間とコンピュータとの接続部を意味するものであり、両者の相互作用を研究する分野

今回のワークショップでは、本ワークショップ主催者である任 向実教授(情報学群)の挨拶につづき、イタリア、韓国、インド、日本より4名の研究者による基調講演のほか、ポスター発表が行われました。

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トピックプレゼンテーション、CHECテクニカル・ツアー、Human-Engaged Computingについてのディスカッションも行われ、会場では研究者同士の熱心な議論が交わされたました。

基調講演者と内容は下記のとおりです。
●井上 智雄 氏 (筑波大学 教授)
演題:Sharing roles between human and computer: collaborative work in the physical world (人間・コンピュータ間の役割分担:現実世界での共同作業)
概要:HCIとは、単に人間とコンピュータ間のインタフェースやインタラクションではなく、その出現以来、人間とコンピュータ間で役割分担をしている。本講演では、現実世界での共同作業から例を示すことにより、人間とコンピュータの間の役割分担がどのようになっていたのか、いるのか、そしてこれからにどうなるのかについて説明した。

●KIM Kibum氏(韓国 漢陽大学校 准教授)
演題:Game and HCI ゲームとHCI
概要: 本講演では、virtual reality systemの比較研究調査で得られた結果の意味を議論し、リモートコラボレーションでVR/MR HMDを使用するためのデザイン・ガイドラインを提供する。また、本講演では、自閉症児の治療法としての複合現実型シリアスゲームの開発、仮想現実に基づく耳鳴り治療、視覚障がい者支援のためのマルチモーダルVRシリアスゲームの開発と使用性評価についても説明した。

●SACAR Sayan 氏 (筑波大学 助教)
演題:Designing Interfaces for the Aging Population: Experience and Lessons Learned (高齢者向けインターフェース・デザイン )
概要:本講演では、高齢者のデジタル機器使用を容易にするための高齢者に適したインターフェース・デザインに焦点を当てた現在の研究概要を説明する。(a)感覚運動障害および認知障害のある高齢者向けユーザ・インタフェース・デザイン改善のための計算デザイン・アプローチ(b)高齢者がどのようにモバイル・デバイスの使用を習得するかの理解、(c)高齢化新興国のインドにおけるテクノロジー・アダプテーションについて説明した。

●MINIUKOVICH Aliaksei 氏 (イタリア トレント大学 ポスドク研究員)
演題:Visual Determinant of Information System Success on the Web (Web上の情報システム成功の視覚的決定要因)
概要:情報システムは、それらの提供するサービスの質が劣るからではなく視覚的表示が乏しく印象的でないグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)であることから、しばしば失敗に終わる。本講演では、視覚美学、複雑性、顕著性、WEBページやモバイル・アプリの多様性などを含むユーザの第一印象を決定する表示品質について、またこのような品質を計算手法を用いてどのように評価するかについて詳しく説明した。

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