2019.6.14イベント / 在学生・保護者 / 地域・一般 / 研究 / 研究者・企業

「多孔性ナノ結晶の構造制御と機能開拓」について大谷講師が講演しました

6月8日、本学永国寺キャンパスで、公益社団法人日本油化学会関西支部主催の「令和元年度 油化学関連シンポジウムin高知」において、大谷 政孝 講師(環境理工学群総合研究所)が、「多孔性ナノ結晶の構造制御と機能開拓」と題し、多様な微細構造を有する多孔性ナノ結晶の迅速合成法とその構造・機能開拓の成果について講演しました。

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講演の冒頭では、多孔性ナノ結晶の新規合成法の開発に至った経緯から、その反応の基礎的な背景について紹介しました。新規合成法により開発された様々な金属酸化物の多孔性ナノ結晶については、実例とともに組成や構造制御のメカニズムについても詳細に解説しました。 また、総合研究所 構造ナノ化学研究室と宇治電化学工業株式会社で共同研究しているMARIMO粒子(※)の工業的な大量生産技術の現状と今後の展望についても紹介しました。 講演の終盤では、環境理工学群 機能性ナノマテリアル研究室において、最近進めている新たな金属有機ナノ結晶の合成とその機能開発の展開について説明があり、今後のさらなる研究進展が期待されるものでした。

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その他、高知大学の今村 和也 助教から「実用化された光触媒と実用化したい光触媒反応」、高知工業高等専門学校の白井 智彦 助教から「炭素-水素結合切断を起点とする高原子効率型触媒反応」、旭化成株式会社の岩瀬 勝弘 氏から「Nd系錯体触媒を用いたブタジエンの高立体規則性重合」と題した講演が行われました。

講演には、本学の学生をはじめ、他大学生、高等専門学校、企業関係者など40名が参加し、皆真剣な表情で講演を聞き入っていました。講演後の質疑応答においては「中空構造の形成はどのように反応が進んでいるのか」、「反応に用いている溶媒はどのように選んだのか?どんな役割があるのか」、「ナノロッド合成において添加剤の構造はどのようになっているのか」などの質問が飛びかい、大谷講師はそれぞれに丁重に回答し、参加者は皆感心と納得の表情で貴重な情報交換の時間を惜しんでいました。

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※MARIMO(Mesoporously Architected Roundly Integrated Metal Oxide)粒子とは、生成されたナノ粒子の形状が、水中植物のマリモによく似ていることから開発した本学の研究グループが名付けた球状多孔質金属酸化物ナノ粒子の名称です。

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