2019.11. 6在学生・保護者 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

有賀さんが日本ガスタービン学会の学生優秀講演賞を受賞

9月18日~19日、 函館アリーナで開催された第47回 日本ガスタービン学会定期講演会で、有賀 寛純さん(修士課程 知能機械システム工学コース 2年)が「防除氷のためのCFRP電流印加による発熱効果に関する実験的研究」をテーマに研究成果を発表し、学生優秀講演賞を受賞しました。
この賞はジェットエンジン、ガスタービン等に関する特に優秀な講演に贈られるもので、全国から参加した20件の学生講演のうち2件に見事選出されました。

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有賀さんは、本学の航空エンジン超音速流研究室(野﨑 理 教授荻野 要介 講師)で、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を利用して、航空機エンジンの「ファン」に氷がつかなくなるようにするための新しいシステム開発につながる基礎研究を行っており、現在は国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)に約1年間派遣され、受託指導学生として同研究を進めています。

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(有賀さん(写真手前)とJAXA研究員の方々)

今回の講演では、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に電流を流すと発熱することを利用し、航空機エンジンのファンに見立てたCFRPに電流を流し、そこに氷の発生源となる冷たい水滴を吹き付けることで氷が発生しにくくする実験と、氷が発生したCFRPに電流を流すことでファンに発生した氷を融かす実験により、加える電流量と氷対策への効果を明らかにし、さらに氷対策において効果的な電極の配置を見出した研究について発表しました。
現状の防除氷技術としては主にブリードエアと呼ばれる、推進に使う空気の一部を利用することで氷を付きにくくする方法が採られていますが、CFRPの発熱特性を利用した今回の研究成果は電気を利用してファンブレードを加熱する方式であるため、推進効率を低下させることなく氷対策が行えるだけでなく、従来方式では難しかったファンブレードに発生した氷を取り除ける可能性があるという点で画期的であり、未来の航空機エンジンにおける新しい氷対策技術として応用されることで、寒い環境や冬の運航における安全性向上に貢献することが期待されます。

有賀さんは今回の受賞について、「研究成果や発表内容を受賞という形で評価していただけてとても光栄です。一方でこれは野﨑教授とJAXAの研究員の方々の厳しくも的確でわかりやすいご指導や、前年度までJAXAで研究成果を積み重ねてきてくださった航空エンジン超音速流研究室の先輩方の努力もあってこその受賞であり、自分一人では決して成し得なかったと思います。今後も将来の航空機技術への貢献につながるような研究を続けていきたいです」と、喜びと今後の抱負を語りました。

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