2019.11.21在学生・保護者 / 地域・一般 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

国内最大級のSociety 5.0の総合展「CEATEC2019」で招待講演を行いました

10月15日~18日、幕張メッセで開催された国内最大級のSociety 5.0の総合展「CEATEC2019」で、川原村 敏幸教授(システム工学群)と曲 勇作さん(博士後期課程基盤工学コース 3年)が、未来の電子ディスプレイに関する招待講演を行いました。

CEATECでは、Society 5.0の未来社会を支える電子部品やデバイス、またそれらを活用する製品やサービスが一堂に展示され、会期中は幅広い業種・産業等から約15万人が訪れました。
川原村教授と曲さんが登壇したセッション「電子ディスプレイシンポジウム金属酸化物半導体エレクトロクス-若手研究者が語る今とこれから-」にも、次世代ディスプレイ技術に関する最先端研究の動向が紹介されるとあって、産業界・研究者・学生など100名以上が聴講に訪れ、登壇者との熱心な質疑応答が交わされました。

川原村教授は、「ミストCVDプロセス」について講演しました。
「ミストCVDプロセス」とは、機能性薄膜を形成するために川原村教授が開発した技術です。機能性薄膜は今や身の回りの電子デバイスに広く用いられいますが、ミストCVDプロセスを用いることで、環境負荷を少なく、大面積にわたって原子レベルで均一な高品質の薄膜を製作することを可能としました。酸化物、金属、有機物、硫黄物などあらゆる機能薄膜形成に応用できるため、産業界からも注目されています。
川原村教授はミストCVDプロセスについて、「技術の進展により、高い組成制御による高度な特性制御性を付与させられるほか、立体機材への直接成膜をも達成させる可能性を有する」と言及し、講演後には企業関係者との情報交換も行いました。

☆8B0A1370.JPG

(川原村教授 研究室での様子)

曲さんは、「酸化物半導体ショットキーフレキシブルデバイス」について講演しました。
シリコンに代わる次世代の半導体材料として期待されている酸化物半導体を応用し、"薄い""軽い""曲げられる"ディスプレイやセンサーなど革新的なデバイスの実現をめざしている曲さんは、今回の講演で、酸化物半導体の新規形成技術およびプラスチック基板上でのデバイス実現(写真2枚目)についての研究成果を紹介しました。
この成果は、酸化物半導体中の欠陥低減に必要な熱処理温度を従来の300℃から150℃にまで大幅に低減できることを見出し、低温化により耐熱温度の劣るプラスチック基板上にデバイスを作製可能とした点で画期的であり、聴講者からは、フレキシブルなディスプレイやセンサーなどの未来の可能性に向けた具体的な質問がありました。

★8B0A6535.jpg 図1.jpg

(写真2枚目:プラスチック基板上に作製したフレキシブルデバイス)

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