2020.11.27地域・一般 / 地域貢献 / 研究 / 研究者・企業

松本准教授が「地域における産業育成」をテーマにイブニングセミナーで講演しました

11月14日、地域連携機構主催のイブニングセミナーを動画配信で開催しました。 本セミナーは、本学の研究成果による地域貢献事例を皆様に紹介し、地域の未来をともに考え、議論することを目的としています。
今年度3回目は松本 泰典准教授(地域連携機構 ものづくり先端技術研究室/システム工学群)が「地域における産業育成」をテーマに講演を行い、テーマに関心を寄せていただいた方々にご参加いただきました。

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松本准教授は、講演の冒頭、産学連携をよい方向に進めるためには「目的(サクセスストーリー)が明確」「研究を進める実務者(専任者)が明確」「実務者(専任者)を支える社内権限者の参加が不可欠」「研究以外のコミュニケーションの場が必要」の4点が重要である事を説明しました。高知県は技術的な潜在能力を十分持ち合わせる一方、価格競争や量産化における課題があることから、地域資源に付加価値をつけた農水産業、食品加工産業の充実に新しいビジネスの可能性があるのではないかと説明しました。また、技術伝承のための教育が重要であり、若者の感性や新しい発想を具現化させ商品化してほしいと語りました。

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後半は、中土佐町との連携による生鮮魚介類のブランド化について紹介しました。
松本准教授と県内企業が装置を共同開発し、製造を可能としたスラリーアイス(0.1~0.3mmの氷粒子により魚を冷凍させずに急速冷却し高鮮度保持を可能としたもの)を活用し、地の利をいかし生の状態で生鮮魚介類に付加価値をつけて消費者に提供することを目標に平成21年度から取り組んだマルソウダガツオ(メジカ)のブランド化について、経緯や苦労話などを交えて説明しました。
マルソウダガツオ(メジカ)は、当時、水揚げ量全国一位でありながら、地域では鮮度劣化が早いので食中毒になりやすいのではないかと懸念されていたこともあり、水揚げ価格1~100円/匹で取引され、流通が地域内に限定されていました。そこで、松本准教授はそのメジカに着目し、鮮度実験や調査などを繰り返し行い、鮮度・品質の定量化を示すことによりビジネスチャンスにつなげました。現在では水揚げ価格100~130円/匹で取引されており、約10年の時を経てブランド化に成功したことを紹介しました。

セミナーの動画は地域連携機構のFacebookに掲載しておりますので、ご覧ください。
松本准教授の最先端研究紹介「革新的な技術開発で『高鮮度保持流通』の最先端に挑み続ける」はこちらから


次回のイブニングセミナーは、1月20日(水)端野 典平准教授(環境理工学群)が「地球環境と雲降水現象」をテーマに講演いたします。

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